欧州議会選挙で極右・右派が躍進…ヨーロッパの指導者は混乱状態(海外)
欧州議会選挙で極右勢力が圧勝した。 フランスとドイツの指導者たちは混乱に陥っている。 【全画像をみる】欧州議会選挙で極右・右派が躍進…ヨーロッパの指導者は混乱状態 ベルギーの首相は、国内の総選挙と欧州議会選挙の敗北が重なったことを受けて辞任した。 ヨーロッパの指導者たちは、欧州連合(EU)の議会選挙で極右政党や民族主義政党への支持が急増したことを受けて混乱に陥っている。 2024年6月6日から9日にかけて27カ国で行われた欧州議会選挙では、フランスとドイツの反移民や民族主義者への支持が特に高かった。 フランスとドイツはヨーロッパ大陸の二大大国であり、共同主権の実験を主導していると見なされているとニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じている。 一方、イタリアではジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)首相と極右政党「イタリアの同胞」が29%の票を獲得した。この結果によって、EU全体の議会が法律を可決するのが難しくなることを意味するだろうとAP通信が指摘している。 ヨーロッパの政党関係者は6月10日に会合を開き、今後の5年間に向けてどのような同盟を組むかについて話し合った。 EUの大統領と委員長は6月17日に選挙結果についての会合を開くとしている。
フランスの解散総選挙
フランスの政治家で弁護士のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)率いる極右政党「国民連合」が、与党連合に圧勝したことを受け、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は6月9日、フランスの議会下院にあたる国民議会を解散すると発表した。今回の選挙では中道である与党連合の得票率は14.6%、極右政党「国民連合」の得票率は31.4%だった。 議会の解散を受けて6月30日から7月7日の間に総選挙が行われる。これはマクロン大統領にとって危険な賭けだ。彼が率いる「欧州刷新」党は、ライバルであり反移民を掲げる「国民連合」にさらに議席を奪われる可能性がある。 また、国内政策に対するマクロン大統領の影響力が大幅に低下する可能性もある。ベテランの政治アナリスト、アラン・デュアメル(Alain Duhamel)はフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、今回の選挙は野党の首相との「共存」政権を生む可能性が高いと述べている。 マクロン大統領は「これは深刻で重い決断だが、何よりも信頼に基づく行動だ」と述べたとFTが伝えている。 「フランス国民が自身と将来の世代のために正しい選択をする能力を信頼している」