社会人野球⚾ヤマハ、都市対抗野球本大会へ 6年連続45度目
社会人野球の都市対抗東海地区2次予選は5日、愛知県の岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで第1代表決定戦を行った。ヤマハ(浜松市)は三菱自動車岡崎(岡崎市)に延長十回タイブレークの末、4―3でサヨナラ勝ちし、6年連続45度目の本大会出場を決めた。優秀選手賞にはヤマハの佐藤廉投手が輝いた。本大会は7月19日に東京ドームで開幕する。 【評】ヤマハは三菱自動車岡崎との競り合いを延長戦で制した。 ヤマハは五回に秋利(常葉菊川高出)の適時二塁打で先制。同点とされて迎えた六回は大本(掛川西高出)の二塁打を足掛かりに、相羽(静岡高出)が一時勝ち越しの適時打を放った。八回に再び追い付かれて延長戦に突入。九回から救援した近藤の粘投を中堅西村が好守で援護し、十回タイブレークの守備を1失点でしのぐと、その裏は1死満塁の場面で網谷の遊ゴロが敵失を誘い、決着した。 ■タイブレーク制し歓喜 中堅西村の値千金好返球で勢い 値千金のバックホームだった。延長十回タイブレーク、ヤマハは表の守備で失策絡みの失点を喫し、嫌なムードが漂い始めた時だった。2死二塁と続くピンチに中前打を許すと、マウンドの近藤は2失点目を覚悟した。その瞬間、中堅西村が強肩を発動。捕手大本への矢のような送球で二走の本塁生還を許さず。裏のサヨナラ勝利を呼び込んだ。 「チームが勢いづくプレーになった」。九回に救援し、粘投を続けていた近藤は援護に感謝した。左翼で先発し、十回から中堅に回った西村は「どこでも大丈夫」と新人らしからぬ落ち着きぶりで定位置からダイレクト送球。「ノーバウンドで届いた感覚はあった。アウトになって良かった」とうなずいた。 昨夏の本大会で優勝したトヨタ自動車不在の今大会。本大会準優勝のヤマハは第1代表候補の筆頭だったが1点を争う接戦続きだった。「これぞ予選」と申原監督。ただ、チームは浮足立つことなく「苦しい場面をしのいで1点でも多く取って勝つ野球」(網谷)を貫いた。 「投手全員、誰が出ても最少失点で抑えられた」と近藤は胸を張る。新人3人を含む若手野手を積極起用した指揮官は「チーム力は上がっている」と手応えを口にする。昨夏、あと一歩で逃した黒獅子旗獲得へ。「あすから準備する」と網谷。宮崎の負傷で急きょ出番が巡ってきた相羽は「ここからまた先発争いが始まる。何としてもつかみ取る」と意欲を新たにした。
静岡新聞社