「沙羅の木」隣接地に子ども支援拠点開設 来月から運用【山口】
山口市小郡新町6丁目の母子生活支援施設「沙羅の木」(岩城克枝施設長)の隣接地に24日、家庭や学校でさまざまな困難を抱える子どもの支援拠点「コミュニティはうすみらい」が開設された。来月から運用を始め、安心して過ごせる居場所として地域と共に歩んでいく。 社会福祉法人「防府海北園」(三原俊寛理事長)が運営する同施設は、2016年から市の委託を受け、小郡新町2丁目に子どもの居場所「IBSクラブ」を設置。一軒家を借り、母子家庭や地域の子どもを対象に毎週金曜の放課後、地域ボランティアと宿題の指導や食事の提供をしてきた。 利用者が増える中で、IBSの機能拡大を検討。施設退所者が地域とつながって育児ができる環境整備とさまざまな背景を持つ子どもの支援充実を図ろうと、日本財団の「子ども第三の居場所」事業に応募。建物の建設費5000万円の助成と2025年度まで年間720万円の運営費の支給が決まった。 同施設の隣にあった広場に鉄骨造りの平屋を新築。面積は160平方㍍で、学習室や台所を備えた食堂、相談室を併設した事務室を持つ。子どもの自主的な調理や片付けを促し、生活改善を図れるよう配慮。明るい色調の壁と木の床で柔らかな雰囲気をつくっている。 育児の不安解消を図る相談受付は4月1日から開始。12日からは毎週、月、木、金曜の午後3~6時に施設を開放する。職員や地域ボランティアと遊ぶことや勉強や食事ができる。対象は小・中・高校生。午前中から昼過ぎに不登校の子どもが立ち寄れるようにすることも検討している。 地域住民が気軽に参加できるようなイベントを交えて、食事を提供する地域食堂は5月26日から始める。以降、月1回実施。沙羅の木の退所者に食事の調理に加わってもらうことで地域とつながれるよう後押しする。施設の在り方について地域住民が意見できる機会も設ける。施設の利用はいずれも無料。 同日の開所式で岩城施設長は「地域で支え地域で子育てする地域社会づくりを理念に開設した。子どもたちが信頼できる大人に会え、安心して過ごせる場所にしていきたい」と意欲を見せた。