刑務所内でギャングの抗争、15人死亡 南米エクアドル
(CNN) 南米エクアドルの刑務所で現地時間の12日未明、受刑者同士の衝突が発生、少なくとも15人が死亡、14人が負傷した。地元当局が明らかにした。 【写真】刑務所外で抱き合う受刑者の親族 国家矯正機関のSNAIによると、暴動は沿岸部のグアヤキルにある同国最大の刑務所で発生した。この刑務所もグアヤキルも、対立するギャング同士の暴力抗争で悪名高い。 当局は同日午後までに刑務所の秩序を取り戻し、大規模な捜索を行ったとしている。 司法当局は、受刑者少なくとも9人を殺人罪で訴追すると発表した。 エクアドルの刑務所では暴動が後を絶たず、対立する犯罪組織のメンバー間の抗争のためここ数年で数百人が死亡している。 治安当局は、定員オーバーの刑務所内で発生するギャング同士の衝突の制圧に苦慮している。当局によれば、受刑者は刑務所の一部を支配して獄中から犯罪ネットワークを運営しているという。 今回の事件が起きた刑務所は、過去にも暴動や大量殺人が相次ぎ、エクアドルで最も危険な刑務所とされていた。 昨年は数日間にわたった暴動で、首を切り落とされるなどして30人以上が殺害された。2021年9月には対立するギャング同士の抗争で100人以上が死亡している。 2カ月前には同刑務所の所長が車で帰宅する途中に襲撃されて殺害された。 今年1月、犯罪組織のリーダー、ホセ・アドルフォ・マシアス受刑者がグアヤキルの刑務所から脱獄。この事件をきっかけにエクアドル全土で治安が急激に悪化して大統領が非常事態を宣言し、軍を配備してギャングや犯罪組織の摘発に乗り出した。