大分県警への110番通報、過去10年で最多の8万695件 24年、人流の回復や消防からの転送などが要因か
2024年に大分県警が受理した110番は8万695件で前年を3869件上回った。4年連続で増加し、前年に続いて過去10年の最多を更新した。コロナ禍が落ち着き人流が回復したことに加え、県内の119番を一括して受ける「おおいた消防指令センター」の運用が始まり、事件や事故が絡む通報が全て転送されるようになったことが要因とみている。 通報内容の内訳は交通事故が最も多く2万8004件。▽各種情報提供 1万2298件▽保護・救護 3328件▽刑法犯関連 2408件▽けんか・口論 2385件―と続いた。 消防からの転送は3905件だった。新しい消防指令センターは大分市管内を皮切りに昨年7月から順次受け付けを開始。従来、各警察署に回していた事件事故関連の通報を、110番を扱う県警通信指令センターに全て転送するようになり前年比で1736件増えた。 呼びかけても応答がない「無応答」は1万4448件で、前年の1万8598件から大幅に減った。昨年まで、電源ボタンを長押ししたり連続で押したりすると自動的に110番する緊急通報機能付きのスマートフォンによる誤発信が目立ったが、メーカーが発信前に確認画面を5秒間表示させるといった対応を取り、減少につながったとみられる。 1日平均の通報件数は約220件。台風10号が近づいた8月29日の300件が最も多かった。 不要不急な通報は9173件あった。「セミの鳴き声が耳障り」「バスのほかの乗客がうるさいので注意してほしい」などの内容だったという。 1月10日は「110番の日」。県警地域課の大神崇資次席は「110番は事件事故の専用ダイヤル。万一の場合はためらわずに利用してほしい」と話した。緊急性がないときは、相談専用ダイヤル「♯9110」や各署の加入電話を利用するよう勧めている。