西武・宮澤太成 何が本当に必要か突き詰めて考える 漠然とした行動は少なくなった【西武ルーキー成長記】
行動に“移し切る”ことも大事
リフレクションで、日々言語化する習慣は身に付きました。1日を振り返る機会があると、明日はこういうことをやろうという考えになります。すると、例えばキャッチボールを30球投げる中でも、いろいろと試す回数がすごく増える。漠然とボールを投げるのではなく、より意図を持って練習するようになりました。やっぱり、紙に書くことも需要ですね。フリーな状態で考えるだけであれば、155キロを投げるためには、これと、これと、これが重要だと頭に思い浮かびますが、いざ紙に書くとなると「本当にそれでいいのか」とあらためて考え直す。深く考えるようになるので、漠然とした行動は少なくなってきたと思います。 ただ、考えるだけでは意味がありません。行動に“移す”ではなく、“移し切る”ことが大事になってきます。中途半端にやっても成果は出ないと思うので、必要だと思ったことは全部やり切る。プロは24時間野球をできる環境です。ただ、やり過ぎも注意です。練習場ですべてをやり切ることが前提ですが、僕は部屋には野球を持ち込まないようにしています。オンとオフをしっかりと分けて、「部屋は休む場所だ」という認識でいます。 最初に立てた「一軍で25試合から40試合登板して防御率2.25以下」という1年目の目標は今も変わらないです。プロ野球は野球を突き詰める職業でしょう。そのためにはしっかり考えて、高いレベルですべてに取り組むことが大切なのは言うまでもありません。獅考トレーニングは、その大きな手助けになると思っています。 写真=BBM ※『獅考(思考)トレーニングとは?』 若手選手に対して年に数回行うトレーニング。自己理解から始まり、思考の癖であるバイアスを解きほぐし、自身の成功パターンと失敗パターンを見つめ直す。トレーニングを重ねていくなかで、自分が成功するための戦略が練習と一致しているのかをブラッシュアップ。最終回には自己成長分析をスピーチする場を設ける。
週刊ベースボール