〈BOX速報〉WBC世界ミドル級王者のカネロがカーンに6回KO勝利!
プロボクシングのWBC世界ミドル級王者、サウル“カネロ”アルバレス(25、メキシコ)が現地時間7日、米国ラスベガスで、元WBA、IBF世界スーパーライト級王者のアミール・カーン(29、イングランド)を挑戦者に迎えて防衛戦を行い、6回、右フック一発でKO勝利した。アルバレスは次戦で、WBA、IBF、WBC暫定王者であるゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との統一戦が期待されている。 カネロのパワーvsカーンのスピード。階級の違いから実現不可能といわれていたカードは、155ポンド(70.30キロ)の契約ウェイトで実現した。72.57キロがミドル級のリミットだが、3階級下のスーパーライト級のチャンピオンだったカーンに配慮して、スーパーウエルターのリミットから、1ポンドだけ上の契約ウエイトで行われることになったのだ。米国メディア間でも賛否両論があったが、パッキャオ、メイウェザーの2人のビッグネームが、リングを去ったボクシング界は次なるビッグカードを求めていた。 戦前の予想は、カネロの絶対有利。それでもカーンは、サッカーのプレミアリーグで奇跡の優勝を遂げたレスターに自分を重ね「おれも番狂わせをする準備はできている」と語り、ミドル級に対応するため、ウエイトの上の相手とスパーを繰り返してパワーアップに励んできた。 カーンはスタートからスピードを生かす。カネロは左フックを強引に振りまわしながらプレッシャーをかけてくるが、カーンは冷静に上半身の動きで外しながら、得意のサークリング。スピードのある左ジャブから右のストレートをあわせるという素早いコンビネーションでポイントを稼ぐ。カーンのリズムだった。 焦るアルバレスは、ボディ攻撃からカーンの動きを止めようとするが、なかなかつかまえることができないまま、試合は中盤へ。 だが、6ラウンド。勝負は一撃で決着した。ラウンドの終盤にカネロの思い切り踏み込んだ右フック一発。まともに受けたカーンは、そのままリング上で大の字になってダウン。レフェリーは10カウントを数えるまでもなく試合を止めた。カーンはしばらくびくとも動けなかった。それほど衝撃のノックアウトシーンだった。 試合後、カネロは上気した表情で勝因を語った。 「彼にスピードがあるのはわかっていた。この展開でくるのはわかっていた。たくさんの人が、私の武器はパワーというが、今日は技術も見せることができた。私は、人々を驚かすのが好きだからね」 リングサイドにいたゴロフキンが、リングに上がってくると、「ゴロフキンは私が招待した。絶対に倒す。これは遊びじゃない、ボクシングは真剣勝負だ。今年中に対戦? これまでも言ったとおりだ。今すぐにでもグローブをつけたい」と、注目のカードを受けて立つ決意を明らかにした。