大人向けおもちゃ活況の理由…独自進化「バンダイスピリッツ」をプロが解説
おもちゃ業界が好調だ。昨年度の市場規模は、史上初めて1兆円を超え、今年度もその数字を上回ることが確実となっている。 ■【画像】15周年を記念した 「PREMIUM BANDAI SHOWROOM」も大盛況■ 「おもちゃが子供向けというイメージは今や昔。現在市場を牽引しているのは“キダルト”――つまり、キッズの心を持ったアダルトたちです。彼ら大人の鑑賞に耐えられるクオリティの高いおもちゃが人気になっています」（情報誌デスク） キダルト市場のパイオニア的存在なのが、「バンダイスピリッツ」だ。元模型誌編集者で現在はフリーライターとして活躍しているしげる氏に話を聞いた。 「バンダイスピリッツとは、バンダイナムコホールディングスの子会社で、大人向けやマニア向けの商品も数多く発売しています」 同社は、今年7月には1970年代の人気玩具、全高60センチの『無敵の王者 ジャンボマシンダー マジンガーZ』を発売。 一方、10月にはクリエイティブディレクター滝沢伸介のブランドNEIGHBORHOODとコラボしたプラモデル『BONSAI MODEL KIT』を発表。ファン待望の復刻アイテムのみならず、同社の技術力をときに意外なモチーフで立体化した商品で、世間に衝撃を与え続けている。
■会員555万人! 限られたファン向け商品も実現可
『プレミアムバンダイ』（以下、「プレバン」と表記）という玩具販売サイトの限定商品も話題だ。 「2009年に開設された会員制の通販サイトで、限定商品は、発売と同時に売り切れてしまうことがよくあります」（しげる氏） そんな大人を夢中にさせる商品の魅力は、どこにあるのだろう。 「直販で限定品を扱えることが、プレバンの大きな強みですね。ネット経由で予約をとり、受注生産に近い形で量産するので、一般流通にのせるのが難しいネタでも商品化しやすいというメリットがあります。このメリットを生かせば、多様なコンテンツのアイテムもきめ細かく商品化できるわけです」（前同） プレバンは昨年、日本国内会員数が555万人を突破。このことを記念して実施された同社のアンケートでは、次のような商品が人気であったという（すべて販売終了）。 ●『METAL BUILD ストライクフリーダムガンダム SOUL BLUE Ver.』 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の主人公機の特別カラー版。 ●『CSMオーズドライバー コンプリートセットver.10th』 『仮面ライダオーズ』の変身ベルトに、変身アイテム「コアメダル」全種をセットにし、さらに録り下ろしの追加音声をプラスしたもの。 ●『新SDガンダム外伝プレミアムコンプリートボックス[鎧闘神戦記]』 大ヒットトレーディングカード「カードダス」30周年を記念し、完全新規カードを加えた復刻版第4弾。
