鈍くても力強い氷見の先制パンチ 相手上回る7安打 センバツ
◇センバツ高校野球第6日(24日)2回戦 ○山梨学院4―1氷見(富山)● 当たりは鈍かった。しかし、氷見の先制パンチは力強かった。 【山梨学院vs氷見を写真で振り返る】 一回2死一、三塁。氷見の5番・橋本瑛信は135キロの直球に詰まらされた。しかし、二塁後方への飛球は、飛び込んだ二塁手のグラブに一度は収まりながらもこぼれ落ち、芝へ転がった。先制の右前適時打に「強く振って、いい所へ飛んでくれてよかった。うれしかった」とほほえんだ。 この回、好機を作った4番・大沢祥吾の安打も右前へポトリ。他の打者もバットの芯で捉えられなくても、スイングが力強いから、内野と外野の間へ打球を運んだ。その後は得点できず、すぐに逆転されたが、強力打線が売りの山梨学院を1本上回る7本の安打を放った。大沢は「振り切り、食らいつく。そんな気持ちが表れた」と誇った。 全国の舞台を見据え、打撃練習に注力してきた。5カ所に打撃ケージを置き、1カ所はロングティー、1カ所はバント練習を同時に行う「7カ所バッティング」を連日行った。選手17人が交代で1時間以上、球を打ち続けて振りは鋭さを増した。21世紀枠で選出されたが、昨秋の富山大会では優勝。地力は一般選考枠と同等と呼ばれた前評判で春を迎えた。 それでも30年ぶりの甲子園で、初勝利には届かなかった。橋本は「相手は自分たちより体が大きくて、守っていても威圧感があった。食事やウエートトレーニングを頑張りたい」と誓う。地元の名産の「ひみ寒ブリ」のように大きく成長して、聖地へ帰ってくるつもりだ。【長宗拓弥】