飲食店復活、黒部・宇奈月温泉街元気に カラオケ酒場2代目ブービーとカフェ・ボンフィーノ
黒部市宇奈月温泉の温泉街で、閉店・休業した飲食店の再開が相次いでいる。温泉街唯一の飲み屋だった「カラオケスナックブービー」は昨年の閉店後、「カラオケ酒場」として再スタートを切った。沖縄のブルーシール・アイスクリームを扱うことで知られる「カフェ・ボンフィーノ宇奈月店」は、今年約4年ぶりに営業を再開した。それぞれ「温泉街を盛り上げたい」と考えた新たな店主が運営を引き継ぎ、復活にこぎ着けた。 宇奈月温泉はかつて多数の飲食店が軒を連ねたが、宿泊客の減少に伴い飲食店の数も減っている。最後の飲み屋だったカラオケスナックブービーは、昨年1月に建物の水道管が破損。ママは体調が悪かったこともあり閉店を決めた。 関係者が後継者を探し、宇奈月町出身で飲食店での勤務経験がある高橋邦子さん(53)=黒部市石田=に白羽の矢が立った。引き受けた高橋さんは内装や設備を直し、「カラオケ酒場2代目ブービー」として同年9月に営業を始めた。「『最後の1軒』と言われ、『最後なら、せんなんまい』と思った」と笑顔を見せる。金、土曜(夏場は火曜も)の夜に営業。この夏は土、日曜の昼間に喫茶店としても開いている。 カフェ・ボンフィーノ宇奈月店は、ホテル「フィール宇奈月」の1階で2010年に開店。アイスやコーヒーが好評だったが、コロナ禍の影響などで休業していた。食品製造販売の「くろべの太陽」(黒部市若栗)の吉澤智之社長(40)が知人を通じて同店の状況を知り、温泉街の活性化へ力になりたいと継承を申し出た。 今年4月にリニューアルオープン。以前からの商品に加えて、「チョコバナナガトーショコラクレープ」などアイスを使ったクレープの販売も始めた。同社は飲食店の運営は初めてで、吉澤社長は「お客さんと会話して、その場で味わってもらうのが楽しい」と話す。夏の間は水曜定休。