『電人ザボーガー』放送から半世紀 突然の「放送終了」に唖然とした子供たちも?
生身で特撮ヒーローとなった主人公
本日4月6日は、1974年に特撮ヒーロー番組『電人ザボーガー』が放映開始した日です。今年(2024年)で50周年となりました。後にリメイク劇場版が製作されたほど、熱狂的なファンが多かった作品です。 【画像】「えっ…? カッコイイ」これが伝説の特撮ロボ『電人ザボーガー』です(4枚) 本作はこの時間枠を『スペクトルマン』(当初のタイトルは『宇宙猿人ゴリ』)以降、継続していた株式会社ピー・プロダクションこと「ピープロ」が製作しました。この土曜日19時という時間枠では『快傑ライオン丸』というヒット作も続けて誕生しています。 しかし、それ以降は『風雲ライオン丸』、『鉄人タイガーセブン』と、半年程度で終わる作品が続きました。これは両作品ともハードで陰惨な展開が多く、それが原因で視聴率が伸び悩んでしまったと、スタッフも反省したそうです。 そこで今作『電人ザボーガー』では、逆に明快なヒーローアクションを取り入れることになりました。おりしも時代はブルース・リーによるカンフー空手ブームで、それを物語に取り入れる傾向が他作品にも多く見られています。 こうして誕生したのが本作の主人公である「大門豊」でした。敵を徒手空拳で次々と撃破する殺陣は本作最大の見どころでしょうか。そのブルース・リーを思わせる怪鳥音や表情といった演技はすぐに子供たちのゴッコ遊びに取り入れられ、子供時代の筆者の周りでは「誰が大門のマネが一番上手いか」と競い合いあったほどです。 大門のヒーロー性が受け入れられた理由がまさにコレでしょうか。これまでの変身ヒーローではあまり見られなかった生身の役者が造形物のロボットなどと戦う姿は新鮮でした。なぜなら、変身ヒーローなら変身してから敵を倒すのが普通だからです。ところが大門は敵の幹部や殺し屋たちを容赦なく生身で倒していきました。 このため、大門には「飛竜三段蹴り」という必殺技が用意されています。その体内には子供の頃の事故で一命をとりとめるために電極回路が埋め込まれ、それが発する「怒りの電流」が主役ロボ「ザボーガー」起動の鍵でした。 作品タイトルでもあるザボーガーは、普段はバイク形態「マシーン・ザボーガー」として大門の愛車として活躍します。そして大門の指令でロボット形態となって敵と戦いました。大門の活躍を先に紹介しましたが、ザボーガーもけっして弱いわけではなく、作品序盤での戦いでは圧倒的な強さを誇っています。 この大門とザボーガーが本作の敵組織「Σ団」と戦いました。エンディングの歌詞でもあるように大門とザボーガーは兄弟のような絆を持っています。このふたりの活躍が本作の中心と考えると、現代風的な解釈で本作は「バディもの」と言えるかもしれません。 こう書くと味方サイドが圧倒的な強さのように思えますが、敵であるΣ団はそれ以上の強敵でした。そして強敵はそれだけにとどまらず、予想外の敵、予想外の展開が大門とザボーガーに襲い掛かります。