『ヒロアカ』『あな番』を作曲 林ゆうき、年間数百曲を制作する劇伴作家の仕事
■あまり前例のないことも「やってみればいい」 劇伴フェス開催へ
劇伴作家として第一線で活躍する林さんは、作曲だけにとどまらず、新たな活動を続けています。29日には国立代々木競技場第二体育館で、林さんも出演する劇伴フェス『東京伴祭 -TOKYO SOUNDTRACK FESTIVAL- 2023』が開催されます。このフェスは、アニメ映像とともに、それぞれの作品の劇伴が演奏されます。 2022年9月にも、京都で劇伴フェスを開催した林さん。過去にあまり前例のない、劇伴フェスを開催しようと思ったきっかけや、魅力を伺いました。 ――劇伴フェス開催に至った、きっかけを教えてください ポップスの夏フェスみたいな、たくさんのアーティストが出ていろいろな曲を聴けるものの劇伴バージョンってなかったなと思って。夏フェスに行った人って全員(出演する)アーティストを知ってるわけではない。でも、知らなかったアーティストの曲とか、(劇伴フェスなら)知らなかった作曲家の曲を聴いて“この曲いいな、じゃあ作品見てみよう”って、知らなかった作品のファンになって。僕たちそれぞれが持っている音楽を楽しんでもらえると同時に、もっとファンの人たちがアニメを楽しんでくださるきっかけを作れるんじゃないかって思ったのが大きいですね。 ――劇伴フェスでは、アニメ映像とともに劇伴を聴けるのも魅力ですね 映像と音楽が一体になった時の感動を作れるっていうのが劇伴の一番のいいところだと思うので、フェスでも見て聴いていただければ一番いいなと。
今回は林さんのほか、京都での劇伴フェス同様、アニメ『SPY×FAMILY』の劇伴などを手掛ける宮崎誠さんや、『NARUTO-ナルト-疾風伝』の劇伴を手掛ける高梨康治さんも出演します。 ――前回の京都での劇伴フェスから引き続き、今回も高梨さんや宮崎さんも出演されますね 高梨さんは以前から知り合いで、世界から注目されてる作曲家さんの一人だと思うので、一緒にできたら最高だなと思ってお声がけしたら快諾してくださって。 宮崎さんも「どんなイメージか分からないけど林さんやるなら」って言っていただいて、仲間がどんどん増えていって。 ――劇伴フェス開催への思いを教えてください 子供に対してよく「できないことがあったら、とりあえず、できなくてもやってみればいい」って言ってて。言ってるくせに、お父さんがやらないのはかっこ悪いなって思って、「(フェスを)やってみよう」って口に出したら、賛同して協力してくれる仲間がすごく多いことに気づいて。それで本当に形にできたってのが一番うれしいですし、ずっと続けたいっていう気持ちが一番強いです。