“夫婦の問題”と“私の問題”の線引きは? 『1122 いいふうふ』4~5話
渡辺ペコによる同名漫画が原作のドラマ『1122 いいふうふ』の配信が、Prime Videoでスタートした。主人公は、セックスレスで子どもがいない結婚7年目の仲良し夫婦・相原一子(高畑充希)と二也(岡田将生)。2人は円満な夫婦関係を継続するために不倫を公認する“婚外恋愛許可制”を選択する。第4話、5話では、“公認不倫”の限界を感じた2人が臨む夫婦の再構築が描かれる。 【イラストで見る】ドラマ『1122 いいふうふ』
セックスレス解決の糸口が見つかった相原夫婦
結婚までの道のりや結婚式のhow toは巷(ちまた)に溢れているのに、どうして誰も夫婦運営のやり方については教えてくれないのだろう。“めでたしめでたし”のその先がリアルに描かれる本作では、今回の2話分で、相原夫婦も柏木夫婦もその在り方がどんどん変化していく。 1年間の互いへの感謝とねぎらいを伝えるためこれまで大切にしてきた誕生日を、それぞれ別の人と過ごした相原夫婦。不倫相手である柏木美月(西野七瀬)とのラストデートで関係を清算しようとしたところ、「他の人とセックスしないで欲しい」という呪縛と共に局部を刺されて負傷する二也(岡田)と、その裏で女性用風俗セラピスト・池端礼(吉野北人)と肌を重ね快楽に溺れる一子(高畑)のコントラストは鮮烈だ。 「ブレまくりで変だよね? 夫婦なのにさ」とは、その後、一子が泣きながら礼に漏らす一言だが、生活を共にする夫婦だからこそ、日々ブレることもあれば、むしろ、変化していくことが求められるのではないだろうか。そして、誰しも経年変化していく中で、変わりゆく個人が一緒にいれば、ブレるのが当然の流れだ。“夫婦だから”って常に同じ歩幅で歩めるわけではないし、夫婦になっただけでろくに言葉も交わさず、同じ方向を目指せるわけでは決してない。 そして、ほぼ初対面に近しい礼に、一子は自身の問題の本質を見事に言い当てられる。「普通にすごい嫌だったんじゃない? 旦那さんに恋人ができたの」と。この礼の言葉によって、一子は自身の痛みを自覚し、ようやく認めてあげることができた。意地とプライドで見て見ぬふりし続けてきた自分のあまりにシンプルな本音を見つめ直すことこそが、セックスレスのようなパーソナルでデリケートな問題の解決の第一歩につながるのだろう。