「意地でも修理して乗ってやろう」 解体屋で見つけた動かないクルマ。特徴的なウインカーポジション
【1959年式 ダットサン1000】 そして時はたち、多くの人がその存在を忘れそうになっていた70年代。オーナーは解体屋でダットサン1000を見つけたという。 【画像18枚】解体屋で見つけた不動車だったが、「やっとクルマを買えた」という思いが強かったという。ランドセルと呼ばれた特徴的なリアの意匠が目を引くダットサンB110の後ろ姿。 オールペイントを施した時にメッキパーツの再メッキも行なっている 「いつも通る道にあった解体屋さんで見つけて、約8万円だったと思います。動かなかったので、みんなで押して、トラックに積み込んだのを覚えています」 動かない解体屋のクルマに対して不安はなかったのだろうか。 「クルマが好きだったんで、若い頃は自動車修理工場で見習いをしていました。だから、不安はありませんでした」 不動車両ではあったが、「やっとクルマを買えた」という思いから、意地でも修理して乗ってやろうという強い意思が芽生えていた。クルマと向き合っている時間も楽しかったという。 後付けヒーターなど、快適装備も追加。ハンドルの遊びが大きかった時は、ステアリングギアを分解して、自身で調整している。時にはツーリング中であっても、修理をしてしまうことも。 「湯河原にドライブへ行った時、大和トンネルでエンジンが止まってしまったんですよ。妻と一緒でしたが、助手席に妻を残して、街にパーツを買いに行きました。ようやく見つけた自動車パーツ商でイグニッションコイルを買って、自分で修理したこともあります」 1958年式ダットサン1000(B210) 全長(mm) 3860 全幅(mm) 1466 全高(mm) 1535 ホイールベース(mm) 2220 車両重量(kg) 925 エンジン型式/種類 C型/直列4気筒OHV 総排気量(cc) 988 最高出力(ps/rpm) 34/4400 最大トルク(kgm/rpm) 6.6/2400 サスペンション前/後 リーフ/リーフ ブレーキ前/後 ドラム/ドラム タイヤ 5.50-15-4P 初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 8月号 Vol.194 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部