【山口県】最速スタートのはずが… 周南市いまだ団体募集始まらず
中学生の部活動が廃止され、地域のスポーツや文化の団体に参加する「地域クラブ」に移行する。 国や県はまずは休日から移行、いずれ平日も移行する方針を示す一方で、各市町によって状況が違うため、地域移行の在り方は各市町に一任している。 周南3市でも進捗状況に差が出始めた。
2市が地域クラブの団体登録開始
光市はいち早く今年3月上旬には地域クラブの登録団体募集を始め、3日時点でスポーツ11、文化8、そのほか6の合計25団体が登録。「光市中学校部活動の地域移行情報サイト」で随時情報が公開され、常に最新の情報を確認できる。 下松市は7月1日からスポーツの団体のみ登録をスタート。3日時点で2団体の登録と登録希望団体からの問い合わせもあった。この2団体はこのあと審査にかけ、正式な登録となる。 登録団体は6月20日に開設された「くだまつ地域クラブ活動(スポーツ)ホームページ」で確認できるようになる。
遅れ目立つ周南市
一方、遅れをとる周南市。全国でも先駆けて“平日と休日を問わない移行”の方針を打ち出したが「周南市地域クラブ」を管理するセンターが未だ立ち上がらず、団体の登録条件を絞っている段階。 2025年度にセンターを立ち上げ、その後の募集開始を目標に進めているという。 同市では2026年度の3年生最後の大会を目途に地域クラブに完全移行する予定。「間に合うのか、遅れる可能性はないか」の問いに、市教育委員会学校教育課の石井岳文課長補佐は「間に合う予定で進めている。あくまでもセンターの立ち上げについては事務局となる市文化振興財団と市スポーツ協会に任せている」と話す。 関係団体の代表者らで構成される「周南市文化・スポーツ活動推進協議会」は2022年10月に初回開催。前回の第8回目が6月7日に開かれたが、次回は約半年後の10月を予定している。専門部会では随時協議を重ねているという。 市内在住で小5の子を持つ保護者からは「部活は協調性を養ったり、何かに打ち込む体験ができる貴重な機会。学業はもちろん大切だが、授業で学ぶことは塾でも学べる。本当にこのやり方しかないのか考えて欲しい」と懸念の声も寄せられている。