個展「愛と渇きと。」取材会に出席した板垣李光人

＜ニッカンスポーツ・コム／芸能番記者コラム＞ 　俳優板垣李光人（22）による、初の個展「愛と渇きと。」が盛況を見せている。東京では9月27日から10月7日まで東京・渋谷PARCOのGALLERY X BY PARCOで開催されたが、初週から一般チケットはほぼ完売状態。今月12日からは愛知に上陸。12日から20日まで愛知・名古屋PARCO、10月25日から11月10日まで大阪・心斎橋PARCOで開催される。 　板垣自身、今回の個展が「アートというものが広がるきっかけ、間口になったら良いなと思います」と語っていたが、早くも反響は大きいようだ。板垣は特に10～20代の女性ファンからの支持が強いが、個展は40～50代までの幅広い年齢層の客も来場。中には「アート」を入り口にした来場者も。関係者によると、板垣自身もこれまで行ってきたイベントで出会うことの少なかった層の来場に驚いているという。 　同個展ではかねて板垣が制作してきたデジタルイラストと油絵とが組み合わされた、複合的なキャンバスアートを中心に展開されている。近年は俳優活動が多忙を極めており、NHK大河ドラマ「どうする家康」や、テレビ朝日系「マルス－ゼロの革命－」などGP帯連ドラに立て続けに出演。多忙の合間を縫って仕事と並行しながら制作された。 　9月末に行われた取材会では、板垣の作品に向けるいとおしげなまなざしや言葉選びが印象的だった。お気に入り作品「華」は4～5カ月かけて完成。「自分の好きなもの、アート、ファッション、芝居というのものが1つに詰まっている」と紹介。布で作られた花があしらわれており「肩と首を痛めながら作ったのでそういった意味でも思い入れがあります」と表情を和らげた。 　個展開催は「運命的だった」という。デジタルイラストは個人的に「ほそぼそと」制作し、内々に秘めていた。転機は8月に公開された映画「ブルーピリオド」への出演。美術を学んでいく学生を描いた青春群像で、板垣は驚異的な画力を持つ天才高校生を演じた。出演にあたり、約4カ月美術講師にみっちり絵画指導を受け制作欲はいっそう上昇。「絵の欲が高まっていた時期にこの個展のお話を頂いた」。必然に導かれるように、開催の話がまとまった。 　アートをどのように解釈するかは人それぞれ。それも楽しみ方の1つだ。「アート」「美術」といったジャンルに対して敷居を高く感じてしまう人は事実、世間には多い。板垣は「もっとラフに」と呼びかける。「これ家に置いたらかわいいとか、待ち受けにしたいなとか、そうした感想でも良いと思います。買い物のついでに寄ってみるくらいの気持ちで見ていただけたらと思いますし、アートという物もそういう存在になってほしい」と語った。【望月千草】