杉良太郎が海上自衛隊鹿屋航空基地を訪問、隊員へ「家族と健康を大切にしてほしい」 自身の被災地支援活動のモチベーションについて「人助けも戦い。それを売名という人もいるが、売名でもやってみろって」
歌手で俳優、杉良太郎(79)が15日、鹿児島・鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地を訪問した。警察庁の特殊詐欺撲滅運動と厚労省で展開する健康行政の一環として、自衛隊員らを対象に講演。過去に同基地から出撃した特攻隊員を描いた映画に主演した縁もあり、自身も災害の被災地で支援活動を継続してきた経験から「人助けも戦い」と呼び掛けた。 【写真】映画「花の特攻隊 あゝ戦友よ」に主演した杉良太郎 杉は滑走路に通じるエリアで、全長約38メートルにも及ぶ海上自衛隊の最新鋭哨戒機「P-1」を見学。管制塔などで幹部から東シナ海など日本近海の警戒監視に当たる任務の説明を受け、「有事に備える訓練は大変なこと」と痛感した。 鹿屋航空基地は太平洋戦争で特攻隊の拠点となり、908人が出撃。杉は同基地を舞台にした1970年の主演映画「花の特攻隊 あゝ戦友よ」で母や恋人に別れを告げて特攻隊の任務を全うする若者を熱演した。 撮影は別の場所だったため、今回が初訪問。この日は実際の特攻隊が飛び立った方角の青空を見つめ、「公開から55年。自分が特攻から帰ってきた気持ちになった」と平和の尊さをかみしめた。 杉は75年スタートの人気時代劇「遠山の金さん」でブレークしたが、「花の特攻隊-」の当時は25歳。「芝居も下手で、あるのは若さだけ。その分、役作りで読んだ特攻隊員の遺書が直接響き、何かを演じるという域を超えた感じだった」と振り返った。 ほかには特攻隊員の遺書などが展示される鹿屋航空基地史料館も訪問。さらに、特殊詐欺撲滅を目指す警察庁特別防犯対策監と、健康意識の向上などを呼び掛ける厚労省健康行政特別参与の活動として、自衛隊員ら約100人を前に講演した。 自身は阪神・淡路大震災や能登半島地震などで炊き出しなどの支援活動も展開。同じく被災地で活動する隊員から支援のモチベーションを聞かれると「人助けも戦い。それを売名という人もいるが、(自身の炊き出しのように)東日本大震災でカレー5万食を作ってみろって。売名でもやってみろって」と強調した。 規律正しい隊員らを鼓舞するように、あえてざっくばらんな口調で語る杉。「私は80歳になるけど、やるべきことはあるし、もう言いたい放題やってやろうと。皆さんは国を背負いながら、家族と健康を大切にしてほしい」と〝使命感〟を共有していた。(山内倫貴)