住宅ローン「固定金利」は上昇…変動金利を選んだ場合の住宅資金計画のポイント4つ
2024年3月に日銀がマイナス金利を解除し、超低金利が続いていた日本でも金利が上がり始めています。 ◆【金利推移】フラット35の金利の変化を見る「2022年1月~2024年7月の奇数月」 この状況で気になるのが、住宅ローン金利の見通しではないでしょうか。 今回は住宅ローンの変動金利と固定金利それぞれの動向と、金利上昇を見据えた資金計画のポイントを解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
住宅ローン金利の種類と基準は?
住宅ローンの金利タイプには、大きく分けて変動金利型と固定金利型の2種類があります。 変動金利型は基準金利の動向によって、適用金利が6ヵ月ごとに見直されます。一方、固定金利型は、契約時に定められた適用金利が一定期間変わりません。 変動金利型と固定金利型では設定の基準が、以下のように異なります。 ・変動金利型:金融機関ごとの短期プライムレート ・固定金利型:10年もの国債利回り このように変動金利型と固定金利型では基準となる金利が異なるため、同じような変動をするわけではないと知っておきましょう。
住宅ローン金利の推移は?
続いて、最近の住宅ローンの金利動向を見ていきましょう。 ●変動金利は低水準が続く 変動金利の基準である各金融機関の短期プライムレートの最頻値は2009年1月13日からずっと変わっていません。そのため、住宅ローンの変動金利も特に動きはなく、年率0.5%以下の低金利が適用される金融機関が多くなっています。 ただし、短期プライムレートは政策金利の影響を受けるといわれています。以下は、日本の政策金利である無担保コールレート翌日物の月末の金利の奇数月分の表です。 無担保コールレート翌日物月末金利 ・2022年1月:-0.021% ・2022年3月:-0.02% ・2022年5月:-0.026% ・2022年7月:-0.01% ・2022年9月:-0.073% ・2022年11月:-0.079% ・2023年1月:-0.014% ・2023年3月:-0.03% ・2023年5月:-0.071% ・2023年7月:-0.061% ・2023年9月:-0.062% ・2023年11月:-0.022% ・2024年1月:-0.011% ・2024年3月:0.074% ・2024年5月:0.077% 上記のとおり、2024年3月のマイナス金利解除後から金利が上昇していることがわかります。そのため、現状は短期プライムレートに変動はありませんが、今後は影響があると考えられます。 ●固定金利は上昇し始めている 一方、固定金利型の基準である10年もの国債利回りは上昇傾向にあるため、固定金利は上昇しています。以下は、長期固定金利型住宅ローンであるフラット35の借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、機構団信付きの場合の最低金利(年率)の推移の表(奇数月分)です。 フラット35最低金利 ・2022年1月:1.30% ・2022年3月:1.43% ・2022年5月:1.48% ・2022年7月:1.51% ・2022年9月:1.52% ・2022年11月:1.54% ・2023年1月:1.68% ・2023年3月:1.96% ・2023年5月:1.83% ・2023年7月:1.73% ・2023年9月:1.80% ・2023年11月:1.96% ・2024年1月:1.87% ・2024年3月:1.84% ・2024年5月:1.83% ・2024年7月:1.84% フラット35の金利は2022年から上昇傾向にあり、2024年に入ってからは上昇が落ち着き、横ばいの状況にあるとわかります。現在は2022年1月から0.5ポイント以上上昇しています。