成田空港、ICAO認証の代替燃料 伊藤忠商事らと国内初導入
成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は9月19日、代替航空燃料「SAF(サフ、持続可能な航空燃料)」のうち、国連の専門機関ICAO(国際民間航空機関)が認証した適格燃料「CEF」の受け入れを開始したと発表した。伊藤忠商事(8001)らと供給網を構築し、希望する航空会社へ供給する。CEFの国内空港での受け入れは初めて。 【フロー図】新たに始めたCEFのサプライチェーン CEFは、ICAOが2016年総会で採択した国際航空分野の温暖化防止スキーム「CORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)」に適格したSAFのこと。ICAOは二酸化炭素(CO2)を2019年比で85%以下に抑制する目標を掲げており、航空会社がCO2排出量をSAFで相殺(オフセット)するためには、CEFを使用する必要がある。 使用するCEFは、伊藤忠商事が韓国から輸入した。千葉港にある成田空港の給油施設に直接搬入後、パイプラインで空港へ送油する。SAFの生産はフィンランドのNeste OYJ社が担い、韓国のGS Caltex社がSAFとジェット燃料を混合した。 NAAがジェット燃料を直接輸入するのは2例目。1例目は今年7月で、官民による航空燃料不足への対策として約5000キロリットルの燃料を受け入れた。NAAは今回の受け入れにより脱炭素化と航空燃料の安定供給につなげたい考えで、航空需要の回復・増大に伴うCEFの利用拡大を見込む。 全長約47キロに及ぶ成田のパイプラインは、開港5年後の1983年8月8日に供用開始。千葉港頭石油ターミナルから千葉市、四街道市、佐倉市、酒々井町、富里市、成田市を経て成田空港へ航空燃料を送油している。
Yusuke KOHASE