穴だけあって何の表記がないクルマもあるけど……? 覚えておくべきシフトレバー横の鍵穴の役割とは
シフトレバー横の鍵を刺す穴の役割
みなさんは自分の愛車に備わっている機能をすべて把握しているでしょうか? たまにレンタカーを借りて出かけるようなときに、走行にはとくに支障はないのだけど、信号待ちの際になんか押してみたくなってしまう、機能が不明なボタンがいくつか並んでいたりしますよね。 【画像ギャラリー】昭和のAT車にはよく見かけたのにいまのクルマにはない機能 筆者は旧いクルマばかりを所有していたこともあり、電子的な機能のアイコンの意味をよく知りませんでした。意を決して恐る恐る押してみると、アイドリングストップが解除されて変化があるようなケースはまだわかりやすいのですが、押しても無反応で、インジケーターさえ点かないボタンがあったりして、返却するまで「??」と不明のままということもありました。 古い時代では、A/Tのシフトレバーまわりがそんな感じだったという印象の人もいたのではないでしょうか。筆者はマニュアル車ばかり所有していたため、「O/D」と書かれたボタンを押すのにしばらくかかったのを覚えています。 そして、ATのシフトレバーまわりでもっとも大きな謎というと、あのシフトレバーの側にある不思議な鍵穴ではないでしょうか。正直いってしまうと、ごく最近までその理由を知りませんでした。ここではその鍵穴が何のために用意されているのか、その意味を紹介していきたいと思います。 ■シフトレバー側の鍵穴のようなものはシフトロック解除用だった あのシフトレバーの側にある鍵穴は、シフトのロック機構を解除するために設けられたものです。 AT車は、エンジンをかけてブレーキを踏んだ状態でないと、シフトレバーを「P(パーキング)」レンジから動かすことができないようになっています。これは「D」レンジ等に入ったままエンジンをかけてしまった場合の不意の急発進を防ぐために設けられた仕組みで、ほとんどの車両に共通しています。「P」レンジ以外の位置でエンジンを切ると警告音が鳴るのもこの一連の安全対策のひとつです。 通常時であればこれでなにも支障はありませんが、バッテリー上がりやガス欠でエンジンがかけられなくなったときや、エンジントラブルで始動不能になってしまった場合は、ロックがかかったままとなって車輪がまわせないため、車両を移動することができなくなってしまいます。電話で助けを呼びレッカー車が到着しても、車輪が固定された「P」レンジのままではレッカー車での移動もできません。 そんなときにシフトのロックを解除するための機構が必要になります。ほとんどのAT車にはこのロック解除の機構が備わっています。そのひとつの例が、シフトの側に設けられた鍵穴というわけなんです。鍵穴にキーを差し込むとロックが解除されるので、シフトレバーを動かすことができるようになります。 鍵穴にしているのは一部のトヨタ車やホンダ車に多いようですが、これがボタンになっていたり、ボタンが簡単に押せないようにカバーが付いていたりするケースもあるようです。