映える写真スポットで人気、県内最古の木造駅舎「嘉例川駅」に寄り添ってきた老木哀れ…樹齢100年超、台風に耐えられず幹回り2.5メートルぽきり 霧島市
台風10号の影響で、鹿児島県内最古の木造駅舎として知られる霧島市隼人のJR肥薩線嘉例川駅前広場のカイヅカイブキが倒れた。国の登録有形文化財で築120年を超える駅舎への被害はなかった。 【写真】台風10号の影響で折れた、JR肥薩線嘉例川駅前広場のカイヅカイブキ=10日、霧島市隼人
推定樹齢は100年以上。高さ約10メートル、幹回り約2.5メートルで、根元から約3メートルを残して駐車場側に倒れた。地元住民によると、1920(大正9)年に、当時の皇太子(昭和天皇)が同駅を乗降して高屋山上陵に参拝したのを記念して植えられたものという。 台風上陸後の8月29日に地元住民が被害に気付き、駅舎を管理する霧島市とJR九州に報告。30日に市職員らが調査した。木はシロアリの被害も確認されており、今後処分する。現在、周辺にコーン標識を置いて近寄らないよう呼びかけている。 同駅周辺の美化に取り組む嘉例川地区活性化推進委員会の竹下輝雄会長(70)は「木が駅舎に倒れなかったのが不幸中の幸い。子どもの頃からあった思い入れのある木だけに、切り株を残すなど、保全についても考えたい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島