岡村靖幸「この齢になると、ウマが合うとか、何となく肌が合うとか、なかなかないことなので…」斉藤和義とのユニット“岡村和義”結成秘話
松任谷由実がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「Yuming Chord(ユーミンコード)」(毎週金曜11:00~11:30)。4月26日(金)、5月3日(金・祝)の放送ゲストは、岡村靖幸さんと斉藤和義さんからなる新ユニット「岡村和義」。 5月3日(金・祝)の放送は「ときめきジェネレーション」をテーマに、岡村和義ユニット結成から現在の活動、新曲など、さまざまな話を伺いました。
ユーミン:今日のコードは「ときめきジェネレーション」! 2人はコロナ禍のときに組んだ、ということになるのかな? 岡村:(斉藤さんのほうを向きながら)そういうことになるのかな? 斉藤:そうかな。 岡村:(2人で)よく飲みに行っていたのは、コロナ前なんですよ。すぐにユニットを組んだわけではなくて、5~6年かけて仲良くなって。最初は本当に飲み仲間で。 ユーミン:どちらが、どういうふうに声をかけた感じ? 岡村:どっち? 斉藤:どちらともなく。「○○にいますけど、何してます?」とか、「2人で明日どこか行きますか」とかもあったり、いろいろでした。 ユーミン:なんだか心温まる(笑)。 岡村:この齢になると、ウマが合うとか、何となく肌が合うとかってなかなかないことなので、貴重な友人として……本当に最初は友人として数年過ごした感じですね。それで(僕がパーソナリティをつとめるラジオ)番組があって、そこで(斉藤さんと一緒に)音楽を作ってみるというので、「これはいいね」って流れで(岡村和義としての活動が)始まったんです。 ユーミン:それで、具体的に楽曲をリリースすることになっていきます。今日は、私のリクエストで、岡村和義の楽曲「サメと人魚」を聴いていただくのですが、これはどこから作り始めたの? 岡村:僕が最初に何年も寝かせていたメロディがあったんですね。サビがどうしても作れなかったので寝かせていたんですけど、それを彼(斉藤さん)に聴かせたら、彼がサビみたいなものを作ってきて。そこから僕がアレンジをして、かなり完成したところで彼に送ったら、そのアレンジを気に入ってくれたんでしょうね。1日でザーッと詞を書いて、あっという間に完成しました。 ユーミン:「サメと人魚」というタイトルも斉藤さんが作ったの? 斉藤:そうですね。 ユーミン:それは、元からそういう詞の構造みたいなのがあったの? 斉藤:いや、全然なくて、何となく歌詞を書いていく途中で。たまに、何も考えずバーッとそのまま書いていったら「大体できた」みたいなときってあるじゃないですか。たま~に、ですけど。 ユーミン:たまにね。 斉藤:それでしたね。だからあまり考えずにやっていって、急に「サメと人魚」が口をついて出てきて。「あっ、いいかもな」って思って、そこからまた進んでいって……という感じでした。 ユーミン:いいね! 斉藤:ありがとうございます。 岡村:だから、こっちがバンと音楽を作って送って、バンと詞が返ってきたときに、「あ、本気出したな」と思いましたね。 ユーミン:私が感心したところは、歌詞に「悪い男と悪い女に なりきれたならいいのに」というところがあるじゃない。“ああ、これが日本語のポップスの素晴らしさだな”と思った。「ポップス」って言ってごめんなさい。 斉藤:いえいえ。 ユーミン:その台詞が小説にあっても、映画の中の台詞でも(スッと入って)来ないし、この音律の中で“お互いに悪にはなれなかった”ということを言っている。 岡村:そうですね。 ユーミン:それが全部、その周りの環境とか心理とかが入っていて、感心したんですよ。 岡村:褒められたよ。 斉藤:やったー。 ユーミン:では、聴いてみたいと思います。岡村和義で「サメと人魚」。 いいですね~。初対面の斉藤和義さんともだいぶ打ち解けてきた気がするんですけど。 斉藤:大丈夫ですか? ユーミン:大丈夫です!