【能登のいま】「新たに倒壊する家屋」「いまだに断水」「自衛隊の入浴支援だのみ」のままなのに、話題が風化していく恐怖
輪島市町野町出身のシナリオライター、藤本透さん。ご実家は輪島市の中でも珠洲市と隣接するエリアにあり、1月1日の能登半島地震で被災、罹災証明で全壊の判定を受けました。 【画像】半壊状態の家をどう片づけろというのか 藤本さんは発災から一日も休まず、現地の情報や行政などの情報をX(旧ツイッター)で発信。能登半島地震をきっかけに増えたフォロワーは2,000を越え、今も町野町を中心とした多くの方の情報源となっています。 今回は藤本さんに寄せられた、町野町、輪島市内、能登町、珠洲の方々の声を元に「奥能登の今」を一部加筆・編集のうえで配信します。
倒壊した家屋の解体は進まず「ずっと倒壊しっぱなし」。新たに倒壊する危険性すらある
シナリオライターの藤本透と申します。現在は東京都在住です。私の出身である輪島市町野町は、令和6年能登半島地震において甚大な被害を受けました。今も、多くの方々が避難生活を続けている大変な状況が続いております。 発災から3ヶ月、発災時に比べて著しく報道が減り、復旧や復興のニュースが聞かれるようになりました。今回は、「奥能登の今」をみなさんにお伝えするために、たくさんの方にご協力をいただきました。被災地の現実を、どうか知ってください。
【町野町】倒壊家屋が多すぎて、家財を取り出すことすらできない状態が続く
道路の啓開が進み、応急復旧の段階に入りましたが、倒壊した家屋はいまだにそのまま残されています。4月からの新学期に向けて、せめて通学路を中心に子どもたちが安全に通学できるように整備していただきたいという声を多く聞きます。 罹災証明が出たあとも、解体が進まなければ、余震のみならず雪や雨が降るたびに、家の傷みは進んでいきます。 写真や映像からはわかりませんが、現地では家屋から物が腐るにおいが漂っていたり、雨漏りからのカビによって大事な家が日々傷んでいく姿をさらしています。自分たちの暮らしてきた町が、発災時の姿のままなのは本当に辛く苦しいです。 輪島市街はボランティアの方が多く入っていますが、町野町では倒壊家屋が多いため、お願いできることも非常に少ないです。どうにか思い出の品や残った家財を取り出そうにも、被災者の力ではどうにもできず、救出できたとしても保管場所もなく、途方に暮れています。