高校生が民間企業へプレゼン、出資募る…「プロジェクト科」で学ぶ「ビジネス視点」とは
東京湾の埋め立て地にあるかえつ有明(ありあけ)中学・高校(東京都江東区)。再開発で住宅が増えた地元の夏を盛り上げようと、高校1年生がオリジナルのみこし制作に奮闘しています。「プロジェクト科」の授業の一環とのことですが…その様子をのぞいてみましょう!
「近くの小中学校と連携してみこしを完成させ、一緒に担(かつ)ぐことで、多くの人に参加してもらえるイベントになると思います!」
6月上旬、高校1年A組の生徒たちがイベント会社やメーカーの社員らを学校に招き、みこし制作の意義をプレゼンテーションしました。
地域の夏のイベントのためにみこしを作るプロジェクトは、昨年度1年A組にいた先輩たちが始めたもの。この学校には、生徒たちが主体的に様々な企画を立て、実践(じっせん)する「プロジェクト科」という探究型学習の授業があり、その一環として行われています。
8月のイベントに向けて、みこしは7月下旬までの完成を目指しています。デザインだけでなく、制作費用の調達まで全て生徒に任されており、この日は民間企業から出資を募(つの)ろうと、説明会が行われたのです。
企業側からは「地域への思いが伝わってきた」という声が上がった一方、「何をしたいのかをもっと掘り下げるべきだ」といった指摘もありました。参加した男子生徒(15)は「ビジネス目線の意見は新鮮で、勉強になった。自分たちの思い描く夢を具体化できるよう頑張りたい」と決意を新たにしていました。
プロジェクト科の授業は高校の全クラスにあります。高校のコースの一つである「高校新クラス」のA組は特にその数が多く、週に4コマ設定されています。今年度はみこし制作以外にも、ハチを育てる養蜂や、壁画制作などのプロジェクトが進行中です。
自らの関心ととことん向き合いながらプロジェクトを成し遂げることで、社会の中で自分なりの生き方を見つけ、行動する力を身につける。教科の枠にはまらない、貴重な学びを得る機会になっているようです。