【オーストラリア】商船三井とJX石油、日豪CCS事業で覚書
商船三井とJX石油開発は5日、日本とオーストラリアを結ぶ二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)のバリューチェーン構築に向けた海上輸送等の調査・検討に関する覚書を結んだと発表した。2社は、石油元売り大手ENEOS(エネオス)の製油所など日本の多様な事業から排出されるCO2を回収して、南オーストラリア(SA)州ボナイソン港に海上輸送し、オーストラリアの貯留地へ圧入・貯留することを目指す。【NNAオーストラリア編集部】 商船三井が中心となり、日豪の港湾制限のほか、輸送に適した液化CO2船型の選定や海上輸送コストを試算。一方、JX石油開発は日豪間のCCSバリューチェーン全体のコストの試算を行う。 商船三井の広報担当者はNNAオーストラリアに対し、具体的なスケジュールについては非開示とした。また、日豪間のCCSバリューチェーンの実現に向けて経済性の検討を行っていくと説明した。 商船三井とJX石油開発は昨年8月、大阪ガスと共にオーストラリアの研究機関FEnEx CRC(Future Energy Exports Cooperative Research Centre)と、低炭素化技術の投資機関である低排出技術オーストラリア(LETA)と共同で、CO2の大量輸送の技術実証などに関する技術開発プロジェクトを立ち上げていた。 ■「サントスの設備を利用」 JX石油開発の広報担当者は、今回覚書を結んだ検討はENEOSと昨年12月に発表した、日豪間CCSバリューチェーン構築に向けた共同検討に関連し、特に海上輸送についてのものだと説明。JX石油開発とENEOSは、オーストラリアの石油・ガス大手サントスと組み、サントスが権益を持つSA州ボナイソン港とムーンバ貯留サイトを利用する考えだ。