乳児を骨折させた疑いの佐賀県内20代男性、無罪確定 検察側、上告せず
生後5カ月の長男に暴行を加えて腕に骨折を負わせたとして、傷害罪に問われた県内の20代男性被告に無罪を言い渡した一審佐賀地裁判決を支持した福岡高裁判決が確定した。期限の27日までに検察側は上告せず、男性の無罪が確定した。 男性は2021年6月、県内の自宅で長男に暴行を加えて骨折させたとして、傷害の疑いで県警が同8月に逮捕していた。男性は逮捕時から容疑を否認していた。 公判では、自宅の寝室で男性と長男が2人でいた場面以外に骨折が生じる可能性がなかったかが争点になった。一審判決では、長男が救急外来を受診した際、研修医の過度な整復作業で骨折を生じさせた可能性などを示し「暴行を加えたことにつき、合理的疑いを超える立証がなされたとの評価は困難」と判断した。 控訴審判決では、長男が寝返りに失敗して発症した肘内障(亜脱臼)が自然に治ったとみる余地があることを指摘し「肘内障の過度な整復作業をしてしまった可能性が否定できない」とした。