日本酒ファン長蛇の列 釧路の福司酒造5年ぶり一般開放
北海道釧路唯一の蔵元福司酒造(釧路市住吉2、梁瀬之弘社長)は21日、酒蔵の一般開放を行った。5年ぶりの蔵開きで開場前には長蛇の列ができ、多くの日本酒ファンでにぎわった。 同社は年に1度、発酵中のもろみや貯蔵場所などを見学してもらおうとイベントを開いている。毎年多くの日本酒ファンなどが訪れていたが、2020年から23年まで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため中止していた。 この日は、混雑を避けるため開場30分前に「たれ口酒」と新酒かすの販売が行われ、定刻の午前10時からは物販や振る舞い酒が始まった。今回、初めて開設した有料試飲コーナーでは、福司の大吟醸や純米吟醸、特別純米の3種が並び、来場者は普段なかなか飲めない酒を飲み比べ、酒蔵の雰囲気を味わいながら酒を堪能した。物販コーナーは限定流通品「吟香造り」、季節限定「花華」、ヨーグルトの酒「みなニコリ」など約10種類の酒のほか、地酒ケーキや酒まんじゅうなどの福司定番商品を販売した。 市内から家族で訪れ、たれ口酒を購入した計良貴広さん(33)は「5年ぶりの蔵開きをとても楽しみにしていた。この時期に採れる山菜とクジラで春を感じながら酒を味わいたい」と笑顔で話していた。同社の青木光博営業本部長は「5年ぶりに開催できたことに大変うれしく思う。酒蔵がある町として、皆さまに喜んでもらえるように来年も続けていきたい」と話していた。
釧路新聞