史上初W杯きょうだいメダルの張本智和&美和が帰国 兄は妹の急成長に「(世界ランク)追い越されてもびっくりしないで」
卓球のワールドカップで史上初のきょうだいでメダルを獲得した男子の張本智和(智和企画)と女子で妹の美和(木下グループ)は22日、大会を終えて成田空港に帰国した。 妹の美和は、19年大会で銀メダルを獲得した智和の記録を抜いて最年少15歳で表彰台に立った。「まさかここまでできるとは思わなかったし、最初はメダルがあることも知らなかった。ディアス選手との準々決勝に勝った後、メダルがあることを知らされて。最年少と聞いた時に『え?お兄ちゃんは?』と聞いたら16歳だったので、信じられなかった。一緒にメダルを取ることができて、それが史上初と聞いて、頑張ってきて良かったなと思いました」と笑顔で振り返った。 快進撃を続けた。18日の決勝トーナメント1回戦で世界ランキング3位の王芸迪(中国)と激突。「ドローが出たときには『1回戦かぁ』と。チャンスがなかったわけではなかったので、自信を持って準備をした」。相手が得意とするラリー戦で応戦し、4―1で押し切った。世界3位以内の中国勢を倒すのは初めて。「まさか勝てるとは。(勝ったことで)怖さというものは少しなくなった。(差は)少しずつ縮まってきている」とうなずいた。20日の準決勝で同2位の王曼昱(中国)には敗れたが、価値あるメダルを手にした。 兄・智和は準々決勝で苦手としていたA・チェルベリ(スウェーデン)を4―2で破った。準決勝は世界ランキング8位の林高遠(中国)に0―4で敗退。それでも史上初のきょうだいでメダルをつかみ「自分の結果よりもそっちの方がうれしくて。特に中国選手に勝ってのメダルなので、僕のメダルよりも価値があると思います。同じメダルでも僕より1個上。最年少でメダルを取ったこともすごく大きいことで、うれしいこと」と、妹をたたえた。 智和の世界ランキングは現在9位。勢いに乗る妹は女子で12位につけている。兄は「いよいよ並ばれる…先に言っておきます。追い越されてもびっくりしないでもらいたい。きっとどこかで抜かされるタイミングはあると思うので」と前置き。同じ舞台まで駆け上がってきた妹とは「ライバルだと思うところもある。これからも(妹の存在は)いい刺激になっていくと思います」と見据えた。美和も「きょうだいだとどうしても比べられる。ライバルというか、負けたくない気持ちはあるけど(兄のことは)尊敬しています」と話した。 卓球界で初めてきょうだいで同時出場する7月26日開幕のパリ五輪まで残り約3か月。W杯で同時初メダルの張本きょうだいは、今後も切磋琢磨(せっさたくま)し、五輪での男女“アベックメダル”へと挑んでいく。
報知新聞社