<スポーツライター藤原史郎の目>高校野球 春季大会へ審判講習会 /広島
高校野球の練習試合は3月6日から解禁され、県内では同21日から春季県大会の地区予選が始まる。大会に備えて審判講習会が始まった。呉地区では7日、10チームから20人の選手と16人の審判委員が参加して呉港高校(呉市広大新開3)で開催された。 「新型コロナウイルスの影響を考慮して、毎年各校2組のバッテリーが参加するところを今年は1組に制限した」(上中邦也・呉地区常任理事)。最初にあった投球判定練習では、各校のバッテリーに補助で参加している呉港の選手がバッターボックスに立ち、ストライク、ボールの判定確認をした。 判定練習後は各校の選手に向けて、注意事項を伝達。大下和俊・呉地区審判委員長はじめ審判委員は、捕手に対しては「捕球時に故意にミットを動かさないこと」や「バックホーム時に膝を付けてのタッチの禁止」を、投手には「セットポジションの投球について」などと投球動作の再確認を説明。帰ってチーム全員に伝達することも依頼した。 各チームへの講習は1時間半で終了し、その後は呉港の選手の練習で審判委員が判定練習をした。タッチアップが早くないかの判定確認、クロスプレー時の位置取りと判定確認、インフィールドフライ宣告後の動きなどをチェックし、審判委員の技術向上に努めた。 円山智一・中国地区登録審判委員は、高校では主に投手として活躍し、進学した専門学校では外野手として中国・四国地区代表で全国大会(全国専門学校軟式野球選手権大会)に出場経験を持つ。社会人になってから高校野球の審判をして16年。広島県大会はもとより、中国大会でも審判をする。 「(専門学校で)全国大会に出場して選手としての気持ちが一区切りした時、高校時代の恩師から審判の道を勧められた。高校野球への恩返しと思って審判になったが、選手の一生懸命な姿勢に元気をもらっている。全力でプレーをする選手に、こちらも社会人としてしっかりジャッジをしなければならない」 審判委員もかつてプレーした高校生の時期を思い出しながら、正確なジャッジで高校野球を演出するつもりである。