炎鵬弓取り、先輩に感謝 元石浦の引退相撲で 1年ぶり国技館の土俵
大相撲の元幕内炎鵬(金沢市出身、金沢学院大OB、伊勢ケ浜部屋)は1日、東京・両国国技館で行われた間垣親方(34)=元幕内石浦=の引退相撲で弓取りを務め、兄弟子の門出に花を添えた。首のけがで7場所連続休場し、約1年ぶりに国技館の土俵に上がった炎鵬は「土俵に戻った時を楽しみにしてほしい」と再起への決意を語った。 2人は、ともに宮城野親方(元横綱白鵬)に導かれて角界入り。炎鵬にとって元石浦は同じ小兵力士として尊敬する先輩で、その最後を締めくくる大役とあって気を引き締めて臨んだ。 初の弓取りとなった炎鵬は「尋常じゃない手汗をかいた。少し失敗した」と苦笑い。一方、1年ぶりとなる大銀杏(おおいちょう)を結っての土俵に「気が引き締まる。まだ相撲は辞められないなと改めて思った」と語った。 断髪式では、元石浦の父石浦外喜義さん(能美市出身、鳥取城北高相撲部総監督)や井出敏朗能美市長、同市が地元の善田善彦石川県議会議長ら約300人がはさみを入れた。 ●大の里、石川へ 引退相撲には、夏場所で史上最速の幕内優勝を果たした大の里(津幡町出身、二所ノ関部屋)や十両の輝(七尾市出身、金沢市西南部中OB、高田川部屋)も参加した。 大の里は、幕内取組で朝乃山(富山市出身、高砂部屋)と対戦し、元大関を力強く寄り切って会場を沸かせた。2日は金沢市内のホテルで開かれる祝賀会に参加する予定で、「こういう形で石川に戻れてうれしい」と話した。 1日に30歳の誕生日を迎えた輝は「元気な相撲を取り続けたい」と抱負を語った。