福岡市・天神に地下美術館新設、博物館を大改修…「天神ビッグバン」10年で市が文化・芸術事業を本格化
約1800平方メートルの庭園エリアも新設し、四季折々の花も楽しめる趣向とする。2026年の広場完成とともに博物館の改修工事に入り、29年3月頃の再オープンを予定している。市は総事業費を約160億円(2023年度時点)と試算しており、事業者の選定手続きを始めた。博物館は「広場でイベントも開き、周辺の観光拠点と一体となって集客の相乗効果を高めたい」(運営課)としている。
「ポストビッグバン」
老朽化したビル群の建て替えを後押しするため、市が容積率などの大幅な規制緩和を進めて15年に始めた「天神ビッグバン」。市によると、24年3月末時点で58棟が竣工しており、「ザ・リッツ・カールトン福岡」などホテルの開業も相次ぐ。23年に福岡市を訪れた外国人観光客は約279万人に上った。韓国や中国などのアジアを中心に回復基調にあり、24年はコロナ禍前を上回る勢いとなっている。
大型再開発事業を都市の機能強化に結びつけた市は、「ポストビッグバン」となる街づくり施策を検討してきた。新たに打ち出す文化芸術分野の振興を柱に、25年度末に開催を予定する国際的なガーデニングイベント「福岡フラワーショー」などを通じた都市緑化にも力を入れる方針で、高島市長は「再開発でできた『ハード(箱)』の真ん中に文化の核をつくり、『世界から選ばれる街づくり』をしていきたい」と話している。