連続テレビ小説「虎に翼」第69話。桂場等一郎（松山ケンイチ・右）が叱責も、佐田寅子（伊藤沙莉）は恩師に向かって…（C）NHK

　女優の伊藤沙莉（30）がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」（月～土曜前8・00、土曜は1週間振り返り）は4日、第69話が放送された。話題のシーンを振り返る。 【写真】第69話。佐田寅子（伊藤沙莉）は穂高重親（小林薫・右）と再会の握手を交わしたものの… 　＜※以下、ネタバレ有＞ 　向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子（ともこ）の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。 　第69話は、穂高重親（小林薫）が最高裁判事を退く。佐田寅子（伊藤沙莉）は桂場等一郎（松山ケンイチ）に退任記念祝賀会の手伝いを頼まれ、うっかり引き受け、気まずい気持ちのまま出席。桂場、久藤頼安（沢村一樹）多岐川幸四郎（滝藤賢一）らが集まる中、寅子は穂高の言葉に真っ向から意見し…という展開。 　あいさつに立った穂高は星朋彦（平田満）の言葉を引用し「法律を一生の仕事と決めた時から、旧民法に異を唱え、ご婦人や弱き者たちのために声を上げてきたつもりだった。もっと何かできることがあったのではないのか。出がらしも何も、昔から私は自分の役目なんぞ果たしていなかったのかもしれない」と後悔の念を吐露。 　寅子が涙を流し、震えている。 　「結局私は、大岩に落ちた雨垂れの一雫に過ぎなかった。でも、なにくそと、もうひと踏ん張りするには、私は老いすぎた。諸君、あとのことはよろしく頼む。本日は本当に、ありがとう」 　寅子は穂高に贈る予定だった花束を多岐川に預け、足早に会場を出る。気づかなかった久藤がアナウンスしてしまい、代わりに多岐川が手渡した。 　廊下に追い掛けた桂場は「ガキ！何を考えているんだ！」と叱責。しかし、寅子の怒りは収まらない。穂高に「先生の一言で心が折れても、その後気まずくても、感謝と尊敬はしていました。世の中そういうものと流されるつらさを知る。それでも、理想のために周りを納得させようと踏ん張る側の人だと思っていたから。私は、最後の最後で、花束で、あの日のことをそういうものだと流せません。先生に、自分も雨垂れの一雫なんて言ってほしくありません」などと言い放った。 　妊娠時（第38話、5月22日）の穂高との遺恨が再燃。寅子の怒りが頂点に達した。師弟関係は果たして。 　同局「あさイチ」（月～金曜前8・15）の“朝ドラ受け”。博多大吉は開口一番、「どうします？朝ドラ受け、どうします？」と困惑。博多華丸は「だいたい“痛快”じゃないですか、“よく言った”みたいな。“痛”のみしか」、大吉は「怒りも分かるけど、あの時代の穂高先生を考えたら、何の制度も整っていないし、精いっぱいのことはやっていたような気もするし」と語った。