県知事選の投開票まであと1カ月…立候補予定者の経歴は?支援体制は?懸案への向き合い方は?【静岡発】
県が抱える懸案への考え方は?
このように双方ともに支援体制が固まっているように見えながら内実では混沌としている部分もある中、注目されるのがそれぞれの政策であるが、懸案となっている県の課題に目を向けると2人の考えに大きな差を感じない部分も多い。 例えば、いまだ静岡工区が着工に至っていないリニア中央新幹線については、いずれも“推進”の立場を明確にし、大村氏は「いま抱えている問題は点検・確認をして、大井川流域市町の意見を踏まえた上で前に進めていく」と、鈴木氏は「環境と両立し、いつまでも問題を引きずるのではなくゴールを定めて進める」と話している。 停止から13年が経とうとしている浜岡原子力発電所(御前崎市)の再稼働への考え方に関しても、大村氏が「県民の安全確保が議論のスタート」との見解を示せば、鈴木氏も「原子力規制委員会の判断を待つ」とのスタンスで、共に安全面を重要視する姿勢に変わりはない。 そうした中で両者の主張に明確な違いが見えたのが、県がドーム化も視野に建設を計画している浜松市の新野球場をめぐる問題だ。 大村氏は、浜松市営球場が老朽化していることから「新しくしたいという声は当然だと思う」と理解を示しつつ、「ドーム案をやみくもに進めるのではなく地域の要望や県の財政を踏まえて進めることが重要」を話す。 これに対し、鈴木氏は開放型ドームの推進を打ち出し、「ドーム化自体に費用がかかるのではなく、客席規模が影響する。開放型にして風を上手く取り込む形にすれば空調設備もいらなくなり、メンテナンス費もコストダウンできる」と私案を披露した。 さらに川勝県政の評価をめぐっても温度差があり、大村氏が対立と分断を生んだことを理由に「根本的に見直す」と口にした一方、鈴木氏は「発信力の高さ」を評価した上で産業政策に物足らなさを感じていたことを明らかにしている。
告示まで2週間…共産党も候補者擁立
こうした中、告示まで2週間となった4月25日。 共産党県委員会は知事選に向け党県委員長の森大介 氏(55)を公認候補として擁立すると発表した。 森氏は藤枝市出身で、党の機関紙「赤旗」の記者や党県書記長などを経て、山村糸子 委員長の逝去に伴い、2024年4月から党県委員長に就いている。 会見では、立候補を決意した理由について「有権者の最大の関心事であるリニア建設の問題と浜岡原発の再稼働の問題で『ノー』の審判を下し、県民の命と暮らしを守り希望の持てる県政を実現したい」と説明し、「リニアと原発はいずれも政策的に破綻している。これらを国や大企業の言いなりで続けることは、県民の命と暮らし、そして将来を脅かす負の遺産となりかねない」と、リニア中央新幹線の建設反対や浜岡原発の再稼働反対などを軸に選挙戦を展開していく考えを明らかにした。 加えて浜松市の新野球場建設についても反対の立場をとり、大村氏・鈴木氏と主張の違いを明確にしている。 川勝知事が立候補を否定していることから、静岡にとっては15年ぶりとなる知事の交代。 1カ月後の5月26日はどのような結末が待っているだろうか。 (テレビ静岡)
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