災害時の避難スタイルは「車中泊」と決めている夫婦が準備している防災アイデア[FRaU]
ひとくちに「防災」といっても、教科書通りのやり方があらゆる人にフィットするとは限りません。万が一のとき、本当に安心して避難生活を過ごすためには、ライフスタイルに合わせて“自分の備え”を作ることが大切。トライ&エラーを経て防災スタイルを作った、アウトドア好きの加藤由佳さん・服部賢治さんご夫妻に話を聞きました。 ●情報は、『FRaU SDGs MOOK防災』発売時点のものです(2023年8月)。
車中泊避難の一番のメリットは、 安心できるプライベート空間があること
加藤由佳(かとう・ゆか)/モデル。服部賢治(はっとり・けんじ)/アウトドアショップ・ブランドディレクター。9年前に東京・高尾に移住。車中泊で国内旅行を楽しんでいて、昨年は車中泊で四国一周を達成! 夫婦揃ってアウトドア好きの加藤由佳さんと服部賢治さん。自分たちでカスタムした、車中泊できるマイカーでキャンプを楽しんでいて、災害時の避難スタイルも車中泊と決めている。
「車で寝泊まりするノウハウはすべて災害時にも役立ちます」と服部さん。例えば、水。避難用に大量のペットボトルを積んでいるかと思いきや、あるのはポリタンクひとつ。〈ハイドロブルー〉の浄水器は、高性能フィルターで濾過するので川の水が飲み水になる。電力は〈ジャクリ〉のポータブル電源。軽量モデルだが、パソコンも電気毛布も使える。車のシガーソケットから充電できるのも便利だ。 他にも便利グッズはあったが、2人の装備は想像よりずっとミニマム。車中泊=大掛かりな準備というイメージを変えてくれた。そして装備の充実度とは別に、車中泊なら必ず実感できる恩恵が“プライベート空間”があること。
「私たちは2匹の猫と暮らしているのですが、避難所には連れていけないケースもある。彼らにストレスをかけず、安心・安全に避難する方法を考えたら自然と車中泊になりました」と加藤さん。 服部さんは幼少期に阪神・淡路大震災を経験。祖母がいた宝塚が停電と断水になり、両親と迎えに行った記憶が今も強く残っている。東日本大震災では石巻でボランティアに参加した。