裏金は「文化」!? 政治資金パーティー「裏金問題」を2年前に暴いていた…大島新監督は今何を思うか
映画『香川1区』に描かれていた政治資金パーティー券のやり取りの現場
自民党の5派閥がパーティー収入の過少申告を刑事告発され、東京地検特捜部が捜査している問題。発端は、神戸学院大教授の上脇博之教授が昨年、『しんぶん赤旗』で疑惑が報じられたことを機に、刑事告発したこと。 【画像】足元はおぼつかず…安倍派「親分」森喜朗元首相が銀座の「1人4万円」最高級ステーキ店にやってきた この報道を見て思い出されたのは、ドキュメンタリー映画『香川1区』(’21年)に登場する、初代デジタル大臣・平井卓也氏の政治資金パーティーに関する場面だ。それは、とある告発者からの情報――。2万円×10人分のパーティー券の購入依頼で、パーティーに出席するのは3名までで、本来なら残り7名分は寄付になるというもの。 その流れで相談を受け、映画の中にも登場していたのが、今回注目の的となった上脇教授だったのだ。 当時、「こういったことはどこかであるだろうと思っていたが、こんなあからさまな書き方での依頼は驚きだし、これが1つの会社の話でなく、もし積み重なっているとしたら、大問題だろう」といったコメントをしていたが……。 『香川1区』の大島新監督は今、この裏金問題をどう見ているか。大島監督に聞いた。 ◆嫌疑不十分で不起訴に 「私が映画の中で取材して報じたものは、派閥云々というよりも、平井氏に関する“1人裏金疑惑”だったと思うんです。 その後、上脇先生は映画とは関係なく、独自に平井さんのことも告発し、結果的に嫌疑不十分で不起訴という形になったんですね。嫌疑不十分の理由が何なのかは私にはわかっていませんが、そういう流れで、安倍派と二階派のことを聞いたときも本来はとんでもないことだけど、あまり驚きがないっていうか。 形は違いますが、根っこにあるもの――パーティー券をたくさん売ってそれを懐に入れているというのは一緒なわけですから、あってもおかしくないと感じましたね」 『香川1区』を観たとき、その衝撃からFRIDAYデジタルはすぐに取材依頼をした。と同時に大変な問題になるのではないかと予期したが、映画の反響はどうだったのか。 「あのシーンはもちろん一部の人からは驚きの反応がありましたけども、映画全体で言うと、小川淳也さんが選挙区で当選できるかという長年の悲願のストーリーが柱にあり、いろんな物語が詰め込まれているだけに、映画全体に対してはまたいろいろで。 ただ、最近、この裏金問題が報じられてから津田大介さんがXで『自民党の裏金問題、間違いなく今後炎上延焼必至なんだけど、大島新監督のドキュメンタリー映画『香川1区』で描かれた自民党の金ぐるみ選挙戦のパーフェクトな『答え合わせ』という感が強い』(12月2日)とつぶやいていました。 今こそあの映画をNHKスペシャルの枠で放送しろみたいに言ってくださっていて、さすがにあれはテレビでは放送できないとは思いますが、確かに広く届けたいなとは思っています」