中古バイクの「メーター巻き戻し」疑惑 リセールバリューに直結する大問題はどうやって解決されている?
なぜバイクでは「メーター巻き戻し疑惑」を根絶できないのか
人気不人気を問わず、中古バイクの価値は年式(モデルイヤー)と初度登録年月、そして走行距離の3つの要素が大きく影響します。 【画像】「えっ…!」これが懐かしの「超アナログなメーター」です(18枚)
新しい年式のモデルには、それだけ新しい技術が盛り込まれて、部品供給も豊富です。初度登録年月と走行距離を見比べるだけで、前のオーナーの乗りこなしぶりが伺えます。 初年度登録が新しいのに思った以上に距離が延びている場合は、かなりヘビーローテーションで乗り回していたのでしょう。また、走行距離が延びた車両は消耗部品の交換時期とも考えられ、取り替えなどメンテンナンスを確認する必要があるかもしれません。 年代物のバイクの価格が高騰する前から、例えば「新古車」や「デッドストック」などの言葉がありましたが、年式が古いのに走行距離が短い、倉庫に眠っていた「掘り出しモノ」などという話になれば、古くてもエンジンや車体に負荷がかかっていないから価値(価格)も高い、ということになります。 「走行メーターの巻き戻し」は、この重要な指標から生まれる価値に付け込んで行なわれているのです。 最近のバイクは巻き戻しが簡単にできないような対策も行なわれています。ただ、アナログ式に数字のコマが歯車で動くような古い車両は、わりと簡単に巻き戻しが可能な場合があります。 また、わざわざ手を加えなくても、事故や故障、カスタム等でメーターをまるごと交換することも、バイクでは珍しいことではありません。 メーターを巻き戻す、または取り替えることで、長距離を走った車両も一瞬にして書き換えることができることになってしまいます。
市区町村の届出データがバラバラ……初度届出年月すらわからない
自動車公正取引協議会では、メーター巻き戻しによって実際よりも少なくなったkm数を現在の走行距離数として表示することは不当表示として禁じていますが、実はこうした事例はクルマでもあり、過去に何度も事件化しています。 それがなぜ中古バイクではいまも話題になるのか……それは車検制度と大きな関係があります。