着実にカリスマへの道を歩む ファーストサマーウイカの戦略性の高さ【今週グサッときた名言珍言】
【今週グサッときた名言珍言】 「これ(大河ドラマ)のために手術した」 (ファーストサマーウイカ/フジテレビ系「酒のツマミになる話」10月18日放送) 【写真】ファーストサマーウイカ(「龍が如く」生キャバ嬢オーディション) ◇ ◇ ◇ NHK「光る君へ」に出演し、いまや大河ドラマ俳優となったファーストサマーウイカ(34)。それも主人公・紫式部の“ライバル”である清少納言役という掛け値なしのメインキャストだ。 彼女が高校時代、本格的に芸能の道を志した頃、ピアスをしようか迷っているとき、母親から「あんた時代劇に出たいんやったらピアス開けたらあかんちゃう?」と言われ、ピアスの穴を開けなかったのは有名な話だ。 さらにもうひとつ、大河ドラマ出演にあたって、やったことがあるという。それを明かした一言が今週の言葉だ。アップになったときに薄くでもコンタクトレンズが見えるとよくないと思ったウイカは、目の中にレンズを挿入し、近視・遠視・乱視を矯正する手術「ICL」を受けたのだ。 最初に大河ドラマ出演の話を聞いたのは、2022年10月ごろだったという。そのとき、プロデューサーらドラマ制作首脳陣たちとの面談があった。そこでウイカは、長いカタカナの芸名が「もし足かせになるようであれば改名も辞しません」とまで言ったそう(フジテレビ系「おかべろ」24年10月20日)。 ちなみに、この芸名は今まで存在しない言葉を作ろうと本名の「初夏」を「寺門ジモン」方式で重ね、戦略的につけたもの。冗談交じりとはいえ、それを変えてもいいと思うほどの覚悟だったのだ。 そんな芸名を含め、ウイカの戦略性の高さは、オードリー・若林正恭が「あなた、オンラインサロンで稼げるぞ」(テレビ東京系「あちこちオードリー」20年7月7日)と驚くほど。ヤンキーキャラではあるが、実は「ゴリゴリの文化系」。「泥水をすすってきた」(同前)という下積み時代を経て生んだものだ。 一方で「私は今までの10年がなければ、今のこの瞬間というのは1ミリも存在しえない」「1つでも何か抜いてしまったり、なかったことにしてしまうと、今はない」(NHK「不可避研究中」20年5月29日)と語るように、地に足がついている印象がある。 「10年後カリスマになりたいのね?」と聞かれて、うなずいていた彼女(「あちこちオードリー」=前出)は、サイクルの速い芸能界で「人に取られるような椅子だったら、あっても意味がない」と「自分にしか座れない椅子を作ること」を考え抜いてやってきた(フジテレビ系「ダウンタウンなう」20年5月15日)。 わが道を行くのがカリスマならば、ファーストサマーウイカの「カリスマ」への道は着実に進んでいる。 (てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)