岡田虎に翼 7連勝の陰に熊谷敬宥の声 ユーモア交えナインの士気高めた
阪神の話題をさまざまな角度から提供する2024年の新企画「岡田虎に翼」(掲載不定期)。今回は試合前に行われる円陣の声出し役を特集する。7連勝中は熊谷敬宥内野手(28)が担当。連日訪れる出番に向けユーモアあふれるセリフを考え続けている。 【写真】リニューアルした「張り子の虎」。甲子園のベンチに帰ってくる シートノックを終えて、選手たちはベンチに戻る。自然と輪ができると、そこで熊谷の出番がやってくる。ナインの士気をさらに高めるか、それとも-。バットやグラブではなく、声だけの勝負の時間がやってくる。 「ネタを探しながらやっていかないと声出しはもたない。みんなが一発で返事をしてくれることを願っています」 円陣の声出し役は背番号順、ポジション順、年齢順などチームによって異なる。負ければ交代。熊谷が任されたのは14日の中日戦(バンテリンドーム)から。そこからチームは2分けを挟み、7連勝中。一気に首位に躍り出た。熊谷は「たまたまです」と謙遜しながらも着実にラッキーパーソンの地位を築いていた。 「内容を考えるのはシートノック中。そのときに思ったことを言っています」 1番木浪、2番梅野など大幅な打順変更があった初日は「もう衣替えの時期なので、打順も気持ち新たになっています」とユーモアを交え、39年前にバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発が生まれた17日の巨人戦(甲子園)はその伝説にも触れた。植田が28歳の誕生日を迎えた19日の中日戦(甲子園)は「しっかりと勝利して、最高のプレゼントを渡してあげましょう!!」と仲間のやる気を引き出した。 昨季は原口が声出し役として大型連勝を呼び、スペイン語で「さあ行こう」を意味する「バモス!!」でチームを束ねた。熊谷が連日口にしているのは、つなぎの意識の徹底。10試合連続2得点以下からの脱却も熊谷の声抜きでは語れない。 「試合前なので、勢いよく声出しができればいいかなと思っています」 開幕から1軍に入り、主に代走要員として5試合に出場。12日の中日戦では盗塁を決めるなど、数字以上に印象に残るプレーが多い。持ち味の発進力だけではなく、試合前の発信力にも注目だ。(須藤佳裕)