TEAM SHACHI、TDCホールで新年初ライブ【決戦の鯱詣2025】開催 12曲連続メドレー含む全34曲を披露
TEAM SHACHIの2025年初ライブとなるワンマンライブ【決戦の鯱詣2025 ~ポジティブ・エキサイティング・ソウル・ライブ~】が1月4日、東京のTOKYO DOME CITY HALLで開催された。改名前の“チームしゃちほこ”時代以来、7年ぶり3回目となる「鯱詣」。「初詣」ならぬ「鯱詣」ということで、これまではその名の通り、新年の幕開けに相応しいポジティブオーラ全開のおめでたいライブといった印象だったが、今回はさらにタイトルに「決戦の」が付けられたほか、サブタイトルにはTEAM SHACHIのキャッチコピーの一部「ポジティブ・エキサイティング・ソウル」という文言も。まさに、今回の「鯱詣」にかける思い、そして、2025年を勝負の年と捉えたメンバーの気合いと熱量が伝わってくるようなタイトルとなっていた。 その他の画像 しかも、今回の「鯱詣」の開催を発表したのは、昨年2月のライブハウスツアーのファイナル公演。約10か月も前に翌年のワンマンライブ開催を発表していたのだ。TEAM SHACHIが2024年に行ったワンマンライブは36本。フェスやイベントも含めるとライブ本数は130本を超えていた。2024年はこの「鯱詣」に向けて1年間駆け抜けてきたと言ってもいいだろう。今回は、そんなTEAM SHACHIの現時点での集大成的ワンマンライブとなった【決戦の鯱詣2025 ~ポジティブ・エキサイティング・ソウル・ライブ~】の模様をレポートする。 まずはオープニング。新年のライブの幕開けを告げるのに相応しい「春の海」をサンプリングした「鯱詣」オリジナルOVERTURE~春の海~が流れる中、ステージ後ろの鳥居の中のビジョンには、「1月1日、一富士」、「1月2日、二鷹」、「1月3日、三茄子」というメッセージが順番に映し出されていく。そして、ライブ当日である「1月4日、四鯱」という何ともTEAM SHACHIらしい遊び心のあるメッセージが映し出されると、会場のタフ民(ファンの呼称)から大きな歓声が上がり、メンバーがステージ後方の山台に登場。坂本遥奈の歌い出しからお祭りソング「まつりびと~カキツバタ~」でライブはスタートした。ビジョンに新年らしく富士山や日の出のイラストが映し出され、ステージに金の紙吹雪が舞い散る中、「主役の登場だ 君がど真ん中!」という最後の歌詞が鳴り響く。そして、4人が階段を降りてくると「東海コンプライアンス」と「アサガオ」というタフ民のコールと共に作り上げる人気曲が続く。特に、「アサガオ」のサビでの花が咲いたかのようなタフ民の4色のペンライトの振りは何度見ても圧巻。アリーナ席ではなくバルコニー席でこそ、その美しさが味わえる光景だ。さらにミラーボールが回る中、チームしゃちほこ時代の「It's New 世界」へと続く。後半の歌詞「サヨナラ去年の私」、「振り返ることはしない 自分信じ進むだけ」は、新年のこのタイミングで聴くとより心に響いたのではないだろうか。「Wow Wow…」の部分ではシンガロングも生まれ、最初のブロックから多幸感溢れる展開となった。 最初のMCパートでは、新年の挨拶と他己紹介後、メンバーが羽織っていた衣装が2018年に行われた前回の「鯱詣」の振袖衣装だったことが告げられる。ちょうど秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫の3人が20歳を迎えた時の「鯱詣」の衣装を使用したとのこと。その時以来の「鯱詣」の開催、そして、その時と同じ衣装で今回の「鯱詣」にも臨んでいると思うと、とても感慨深い。 次のブロックは、タオル曲でもある自己紹介ソングの「Hello,TEAM SHACHI」からスタート。客席でタオルが回される中、1人ずつセンターステージでパフォーマンスしていく。4人目の坂本の紹介パートでは「もう可愛すぎて ギューってしたすぎ!!」という歌詞に合わせて、メンバー全員がセンターステージに集まってギューっとくっつくシーンも。そんな4人のわちゃわちゃ感が見られてほっこりしたところで、そのままセンターステージで最新曲「友達万博」と「OEOEO」というコール&レスポンスが映える楽曲が2曲続く。タフ民との一体感が高まったところで「Kissy-麺」へ。ここでは、ステージに上から吊るされた巨大なきしめんが登場。曲の後半、メンバーがきしめんを引き抜き、マフラーのように首に巻いてパフォーマンスするなどTEAM SHACHIらしい遊び心満載の演出が飛び出すと、きしめんから炒飯へ…。ステージ上手からパンダが登場して丁寧にお辞儀をした後、満を持して銅鑼を鳴らすと流れてきたのは「のんあるすいけん feat.炒飯」。昨年、一気にライブ定番曲となった今のTEAM SHACHIのライブには欠かせない1曲だ。後半からは、ステージ後方のスパークラ―(花火)の演出も加わり、秋本が炒飯鍋を振るおなじみのシーンを盛り上げる。 一度暗転後、レーザーに照らされる中、緊迫感のあるノイジーなインストのBGMが流れ出すと会場の雰囲気は一変し、「HORIZON」から次のブロックへと突入。衣装チェンジしたメンバーが1人ずつ歌いながら登場し、クールなパフォーマンスでタフ民を圧倒すると、次の曲「舞頂破」では、バキバキのレーザーや花火にも煽られながら、タフ民もヘドバンやコールでメンバーのパフォーマンスに応えていく。この曲では特にサビの4人のハイトーンボーカルに引っ張られて、タフ民のボルテージがどんどん高まっていくのが感じられた。そして、アシッドハウスを軸にした6分越えのダンスナンバー「いいくらし」、歌い出しの「すくびどぅんどぅん すくびどぅんどぅんどぅびどぅば」というスキャットから一気に曲の世界観へと引き込む「こだま」へと続く。さらに、メインステージに戻ると、坂本のラップとドラマチックな展開が印象的な「We are...」を披露し、中盤ブロックは終了。「HORIZON」から始まったこのブロックでは、TEAM SHACHIの楽曲の振れ幅や楽曲の魅力を再認識したタフ民も多かったことだろう。改めて、ラップやセリフ、ハイトーン、早口、さらには、予測し難い曲の構成や展開など、TEAM SHACHIの楽曲はバラエティに富んでいるがゆえに、難しい楽曲が多いことも実感。しかしながら、それらの楽曲を立て続けに踊りながら歌う4人の姿、そして、イントロが流れるとすぐに曲に順応してコールしていくタフ民の対応力には感動を覚えた。また、ここまでのブロックで共通して言えることは、新旧の人気曲やライブ定番曲が並ぶセットリストの中に盛り込まれたチームしゃちほこ時代の楽曲が、とても良いアクセントとなって会場を盛り上げていたことだ。イントロが流れてきただけで歓声が上がった曲が多かったこともとても印象的だった。 そして、ここからライブは後半戦へ。ライブの始まりを告げるおなじみの「OVERTURE~ORCA~」が流れ出すとLEDにはモノクロの映像で過去のライブ映像とクロスしながら、巨大な書道パフォーマンスに挑戦する4人の姿が映し出されていく。そして、4人による縦書きの「決戦の鯱詣2025」と「ポジティブ・エキサイティング・ソウル・ライブ」という2つの書がステージの両サイドに掲げられ、ライブ前半でのピークやハイライトをさらに更新するような熱いブロックへと突入していくことに。 これまでTEAM SHACHIの多くの楽曲を手がけてきた浅野尚志の曲だけをフィーチャーした「浅野曲メドレー」という新たなチャレンジが始まった。メンバーカラーの新衣装で4人が登場すると、多くの女性ファンからも「かわいい!」との声が上がる。最初に披露したのは「恋人はスナイパー」。そして、前半は「トリプルセブン」、「ザ・スターダストボウリング」、「ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL」、「ちぐはぐ・ランナーズ・ハイ」をメドレーで披露していく。コールで盛り上がるライブ曲やポップで明るめの曲が並ぶ中、前半の最後の1曲、4人のアカペラで始まりセンターステージのスタンドマイクで歌った「ちぐはぐ・ランナーズ・ハイ」は、特にエモーショナルなパフォーマンスとなった。 続いて、ピアノの音色が鳴り響くとバラード曲「Sweet Memories」で「浅野曲メドレー」後半戦がスタート。銀の紙吹雪が舞う中、ふわふわの新衣装を纏った4人が階段に座り、寄り添い合って丁寧に歌い繋いでいく姿はタフ民にとって尊く感じられたことだろう。そこから、「解凍ガール」、秋本の「まだまだエンジョイしていくよー!」との煽りから始まった「エンジョイ人生」、「愛のニルバーナ」、メインステージとセンターステージを繋ぐ花道に敷かれたレッドカーペットの上を歩きながら歌った「そこそこプレミアム」と、「浅野曲メドレー」後半戦も見所と聴き所満載な楽曲が続いていく。さらに、ライブの超鉄板曲「抱きしめてアンセム」、タフ民と共にジャンプしながら一体感を生み出す「JUMP MAN」で一気に畳みかけるとメドレーは終了。メドレーとは言え、フル尺で歌った楽曲も多く、実に12曲ノンストップという圧巻のメドレーとなった。 TEAM SHACHIの歴史を共に歩んできた、物語を共に紡いできた盟友・浅野尚志の楽曲を一気に詰め込んだこのブロックは、今まで応援してきたタフ民にとっても、今回初めて駆け付けた方にとっても、忘れられない特別なセットリストとなったに違いない。客席には浅野も駆けつけており、メンバーから感想を求められると、浅野自身も感極まった様子だったのがとても印象的だった。大黒は「デビュー当時から、浅野曲に育てられました」と語り、秋本は「ライブで盛り上がれる浅野曲が大好きです」と13年共に戦ってきた浅野に対して、感謝や賛辞の言葉を送っていたが、タフ民も同じ思いだったことだろう。 そして、「鯱詣」もクライマックスへ。咲良が「メドレーで盛り上がったばかりですけど、山はここから!最後まで突っ走っていきましょう!」と煽るとラストブロックへと突入。まずは、全力疾走するような振りが印象的なロックナンバー「FANTASTIC MIRAI」からスタート。実際に、イントロ中にメインステージからセンターステージへと走っていき、熱いパフォーマンスが始まった。コールやヘドバンでタフ民との一体感が生まれる中、ラストの秋本のシャウトが響き渡ると、さらに「雨天決行」、「DREAMER」へと続く。「雨天決行」で坂本が見せた涙にグッときたタフ民も多かったのではないだろうか。そして、花火を背に「DREAMER」のサビを歌う4人の姿は、メラメラと闘志を燃やすメンバーの今の思いを表しているかのようにも見えた。最後の1曲はTEAM SHACHIにとって、多くのタフ民にとって絶対的アンセムとも言うべき「START」。咲良が「みんなの声を聞かせてください!」と言って歌い出すと、ビジョンには歌詞が映し出されていく。タフ民のヴォイ!ヴォイ!というコールとヘドバン、咲良の落ちサビからのクラップで、この日の一体感と高揚感の最高を更新。まさに、TEAM SHACHIとタフ民の新たなスタートを感じさせるような、全員の気持ちをひとつにするパフォーマンスでライブ本編は幕を閉じた。特に、最後のブロック4曲の歌詞には、今のTEAM SHACHIの決意表明のような思いが詰まっているようにも感じられた。そして、この先もそんな4人にずっと付いていくというタフ民の意思表示も同時に感じられたようなブロックだったのではないだろうか。ステージを去る前に、秋本が語ったように笑顔と熱気に包まれた幸せな空間がそこには広がっていた。 ここまで本編だけで実に30曲。メンバーもタフ民も最後の「START」に残っていた気力と体力のすべてを出し切ったようなパフォーマンスとなったのだが、1人のタフ民がシャチコール(アンコール)の口火を切ると、すぐさま全力のシャチコールが沸き起こる。すると、アンコールではメンバーがバルコニー席から登場するというサプライズ演出が。撮影OKとなったアンコール1曲目の「縁爛」を歌いながら、メンバーはバルコニー席からアリーナ席へと練り歩き、タフ民にお餅とお菓子(しるこサンド)を配っていく。そして、4人がメインステージに戻ると、秋本からタフ民への感謝の思いが伝えられる。「誰もが人生の中で一度や二度、ここぞ!という場面があると思うんです。私達シャチにとっては、その場面は今回の鯱詣でした」と「決戦の鯱詣」にかける思いが語られると、秋本が作詞を手がけた「光」を披露。ミラーボールの下で、スポットライトを浴びて歌う4人の姿と歌っている時の表情が次々とビジョンに映し出され、多幸感溢れるフィナーレを迎えたかと思いきや…。 坂本が「シャチはそんなもんじゃないから。まだまだ声出していけるのかー?」と最後にもう一度タフ民を煽り、「乙女受験戦争」へ。この曲もTEAM SHACHIのここぞ!というライブには外せない1曲だ。ペンライトが大きく揺れる中、4人が敬礼して曲が終わると、大黒が「次がラストの曲だよ!シャチとの楽しい思い出作れるよね。みんなの底力を見せて!沸き曲ー!」と声を張り上げて、最後の曲「沸き曲」へ。今ではワンマン以外のフェスやイベントでも、TEAM SHACHIのライブには絶対に欠かせない鉄板曲だ。曲の中盤、咲良による某クイズ番組を模した3択クイズのパートでは「TEAM SHACHIのメンバーの中で、お正月にお餅を5個以上食べたメンバーは何人でしょうか?」という問題を出題するというアレンジで遊び心を見せると(答えは4人全員)、最後の「WA WA WAI WA WA WAI WA WA WAI-WAI」のコールでは、この日最大の盛り上がりを見せて、最後にまた会場の一体感を更新して、『決戦の鯱詣2025 ~ポジティブ・エキサイティング・ソウル・ライブ~』は大団円を迎えた。 最後の挨拶で、坂本は「福袋みたいなライブを届けることができて幸せ。2025年の幕開けにぴったりなシャチらしいライブになった」と語り、咲良が「これまでのライブのベストを更新したと思う」と語ると、大黒は「私にとってシャチは衣食住よりも大事。2025年は(タフ民に)より重い愛をあげるし、求めるからね」と言って笑いを誘う。そして、秋本が最後に「ライブに正解や不正解はないのかもしれないけど、今できる一番シャチらしいライブができたと思う。何度も何度もまた思い出すような1日になったと思う。そんな1日を一緒に作ってくれてありがとう」という感謝の言葉で締め括った。 今回の【決戦の鯱詣 2025】は、前進グループからの改名などグループとして変化しながら今のTEAM SHACHIへと辿り着いた4人だからこそ実現できた集大成的なワンマンライブだったと言ってもいいだろう。過去と現在が見事に融合したセットリスト。さらに、その先の未来をも感じさせるようなパフォーマンスや演出。バラエティ豊かな楽曲ももちろん魅力だが、癖が強く難しいような楽曲も歌いこなし、13年歌い継いできた4人の個性もTEAM SHACHIの最大の魅力である。 改めて、今回の「鯱詣」は日本武道館を目指すTEAM SHACHIにとって、重要な意味と意義が込められたワンマンライブであることが随所に感じられたが、もちろんメンバーの覚悟や気合いが突っ走るばかりではなく、新年をお祝いするようなハッピーオーラ全開のシーンやメンバーのわちゃわちゃしたシーンもたくさん見られ、シンプルにTEAM SHACHIのライブは楽しい!ということが感じられるライブに。タフ民を楽しませながらも、終始メンバー自身がとことん楽しんでいた姿もとても印象的だった。2025年はまだ始まったばかり。新年一発目のライブを終えて、ここからまた走り出すTEAM SHACHIの4人の姿をこれからも見守り、応援し続けていってほしい。 ◎公演情報 【決戦の鯱詣2025 ~ポジティブ・エキサイティング・ソウル・ライブ~】 2025年1月4日(土)東京・TOKYO DOME CITY HALL <セットリスト> M0 OVERTURE~春の海~ M1 まつりびと~カキツバタ~ M2 東海コンプライアンス M3 アサガオ M4 It’s New 世界 M5 Hello,TEAM SHACHI M6 友達万博 M7 OEOEO M8 Kiss-麺 M9 のんあるすいけん feat.炒飯 M10 HORIZON M11 舞頂破 M12 いいくらし M13 こだま M14 We are… SE OVERTURE~ORCA~ M15 恋人はスナイパー M16 トリプルセブン M17 ザ・スターダストボウリング M18 ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY PAWER BALL M19 ちぐはぐ・ランナーズ・ハイ M20 Sweet Memories M21 解凍ガール M22 エンジョイ人生 M23 愛のニルバーナ M24 そこそこプレミアム M25 抱きしめてアンセム M26 JUMP MAN M27 FANTASTIC MIRAI M28 雨天決行 M29 DREAMER M30 START <アンコール> EN1 縁爛 EN2 光 EN3 乙女受験戦争 EN4 沸き曲