北陸放送

事件から38年目の朗報です。 福井市で1986年、中学3年の女子生徒が殺害された事件で、服役した男性が求めた2回目の裁判のやり直し=再審について、裁判所が23日、認める決定をしました。 【写真を見る】「再審に新しい風が吹き始めている」福井市の中3女子殺害 名高裁金沢支部が再審開始認める 野﨑まどか記者リポート 「再審開始の文字、裁判のやり直しが認められました」 前川彰司さん 「恵みの中でこの38年間過ごしたかなという風に思ってますので、とりあえず良かった。何回も言いますけど、浮かれるわけにはいかいないということは自分で戒めたい」 ■1986年、福井市の市営住宅で、留守番の中学生が殺害 事件は1986年3月、福井市の市営団地で発生、留守番をしていた中学3年の女子生徒が包丁でめった刺しにされ死亡しました。 名古屋高裁金沢支部は関係者らの証言が「大筋で一致している」として、前川彰司さん59歳が懲役7年の判決を受けました。 物的な証拠がなく、捜査段階から無実を主張していた前川さんは、出所後の2004年に再審を請求。 一旦は認められたものの、検察の申し立てにより取り消された経緯があります。 ■前川さん目撃情報の矛盾、警察は認知していた 2回目となる再審請求で弁護団は検察から287点の証拠開示を受け、捜査報告書などを新たな証拠としました。 この中で、「血の付いた前川さんを見た」と話した男性が直前に見ていたとするテレビ番組が、実際は事件の翌週に放送されていた矛盾を警察が認知していたことが分かりました。 さらに男性は「自身の犯罪を見逃す見返りに、前川さんの関与を認めるよう求められうその証言をした」と明らかにしました。 ■裁判長「新証拠は無罪を言い渡すべき明らかな証拠」 名古屋高裁金沢支部の山田耕司裁判長は、23日、「ありもしない体験を述べる供述が警察官の誘導で作られたことが認められる。新証拠は無罪を言い渡すべき明らかな証拠」として、再審開始を認める判断を示しました。 前川彰司さん 「先日、袴田が無罪が出まして再審に際して新しい風が吹き始めていると私は感じている。その再審の風をより後押しすることになるのではないかと僕は期待している」

事件から38年。司法の在り方が改めて問われています。