遭難からの奇跡の生還を語る 登山家の松田宏也さん、福島市で講演
中国の山で遭難し、奇跡の生還を遂げた登山家松田宏也さん(68)の講演会「生きて還って、また登る」が15日、福島市のコラッセふくしまで開かれた。壮絶な人生経験、数々の試練を乗り越えた前向きな生き方が大きな感動を呼んだ。 日本山岳会福島支部の主催で登山愛好家ら約160人が受講した。松田さんは1982(昭和57)年、中国四川省のミニヤコンカ峰(7556メートル)頂上を目前にして遭難。19日後、地元農民に発見され奇跡的に救出されたが、凍傷で両足と両手指を切断した。闘病生活を経て社会復帰し、義足で登山を再開、海外遠征も果たしている。 講演では、遭難時、天候が急変し道に迷ったことや、治療や看病に当たった中国の人の温かさ、リハビリ後、再び山に登るようになった経緯などを時折、ユーモアを交え語った。 山については「雄大な風景に出会える」「一歩一歩踏みしめ自分を見つめ直せる」「水と空気がおいしい」などと魅力を語り、「自分の世界を広げてくれた」と結んだ。