1000万円強の聖徳太子像に美少女神社…セーラー服の館長が不気味すぎるカオスな超B級テーマパーク「まぼろし博覧会」がスゴすぎた
いざ、カオスが広がる園内へ!
入場前から早くも記者を圧倒するまぼろし博覧会。面食らっていると、 「まずは名刺をお渡ししますね」 そう言ってセーラちゃんが渡してくれたのは7種類の名刺。いずれも裏面には自身のキメ写真がプリントされていた。どうやらこの名刺は来場者全員にプレゼントしており、これまでに20万枚以上も配ってるんだとか。 キャラが濃すぎるセーラちゃん自身の話は後編にとっておくとして、いざ、まぼろし博覧会へ入場だ。 入場してすぐにお出迎えしてくれたのは、セーラちゃん同様、セーラー服を着たゴリラ。 「これは伊勢にあった国際秘宝館からもらったものです。おもしろくないんでボディはセーラー服柄に塗りました。ここはズバリ『美少女神社』といいます」(セーラちゃん、以下同) ……先へ進もう。案内図によると、園内は「大仏殿」「昭和を通り抜け」「ほろ酔い横丁」「まぼろし島」「メルヘンランド」などのゾーンに分かれている。 しかし、ここは甲子園球場ほどの面積があるほど広大だ。 「展示品をしっかり見ようと思ったら3時間はかかると思います。新たに調達したり、お客さんたちが届けてくれたりで、毎日どんどん展示物が増えており、定期的に展示場所の増設をしています」
「大仏殿」には見る者を圧倒する巨大オブジェの数々が
チケット売り場に続く階段の脇には、銚子電鉄の現物大電車模型や巨大な恐竜のオブジェなどが展示されており、評判どおりのカオスな空間がそこには広がっていた。 展示物はどのように選んで、どのように分類しているのだろうか。 「あらゆる物があるから説明のしようがありませんね。何を展示するかと選んでしまうと、偏ってしまうからとくに『これ!』と選ぶことはしません。ただ言えるのは、ここにあるのは庶民が生活の中で残したものがほとんど。そして、展示するものはあえて分類していないです。分類してしまうとおもしろくなくなるからカオスでいい。 文化のカタログ見本市という感じで、ありとあらゆるものを展示し、サブカル好きだけでなく老若男女みんなに楽しんでもらいたい。ここにある展示物はすべて人が元気になれる装置だと思っています」 いいことを言っているような気もするが、入場して5分が経過。すでに気持ちが不安定になってきた記者。 チケット売り場から売店を抜けて訪れたのは「大仏殿」。なんでも、まぼろし博覧会ができる以前に、ここで営業していた熱帯植物園「伊豆グリーンパーク」の温室を改造してつくられたエリアだそうだ。 大仏殿には全長12メートルで、購入費と輸送費あわせて1100万円も費やした聖徳太子像など巨大オブジェがズラリ。 その後に案内されたエリアも不気味ながらもつい見入ってしまうような展示物で溢れている、まぼろし博覧会。その他のエリアについては後編で触れるが、訪れる人の多くは若者、とくに女性が多いというのは意外なような納得なような。 最近では国内にとどまらず、海外からの観光客も増えており、「『世界中どこを探しても他にこんな場所ない!』『ジャポニズムだ!』と喜んでもらえるんですよ」とセーラちゃんはちょっと自慢げ。 同園は違法なものや差別的なもの、生もの、危険なもの以外は基本的にすべて引き取って展示しているとのことだが、いったいどんな思いでテーマパークを“デザイン”しているのか。セーラちゃん、もとい鵜野義嗣氏の人物像とともに、#2のインタビューで迫る。 取材・文・撮影/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班