英インフレ率が2%に、3年ぶりの中銀目標-利下げ期待は後退
(ブルームバーグ): 英国のインフレ率がほぼ3年ぶりに、イングランド銀行(英中央銀行)の目標値まで低下した。
英政府統計局(ONS)が19日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2%上昇と、エコノミスト予想に一致。4月の2.3%上昇から、インフレが鈍化した。
5月のコアCPIは前年同月比3.5%上昇と、こちらも予想と同じだった。
年内利下げの可能性は裏付けられたものの、サービスインフレの粘着性は中銀当局者らを慎重にさせるかもしれない。
ロシアがウクライナで始めた戦争と新型コロナウイルス規制終了を受け、英国では物価が急騰し、インフレ率は2022年後半には11%を超えていた。
イングランド銀は7月4日に英総選挙を控え今週は金利を据え置く見込みだが、この日のデータは基調的な物価圧力が依然根強いことを示した。
当局が注視するービス部門のインフレ率は5月に5.7%(4月は5.9%)と予想を上回る高水準を維持した。エコノミストは5.5%への低下を予想していた。エコノミストは総合インフレ率が年末までに2.4%まで上昇するとの見方を示している。
金融市場の利下げ期待は後退し、11月利下げは完全に織り込んでいるものの、9月の確率は五分五分まで低下した。今年の利下げ幅予想は39ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と18日の44bpから縮小。8月利下げの可能性は45%から30%に低下した。
ブルームバーグが調査したエコノミストは8月の利下げ開始を予想した。
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場アナリスト、ザラ・ノークス氏は「インフレ率は2%に戻ったかもしれないが、長くはそこにとどまらないかもしれない。19日のインフレデータは20日の利下げへの期待にとどめを刺した。サービスインフレはまだ高過ぎる」と話した。
原題:Traders Pare BOE Rate-Cut Bets on Higher UK Services Inflation、UK Inflation Slows to 2% Goal for First Time in Three Years (1)、UK Inflation Back at 2% Goal First Time in Almost Three Years、UK May Inflation Rate Falls to 2% Y/y; Est. 2%(抜粋)