現役引退を表明したアン・シネ＝宮城・利府GC（撮影・高橋朝香）

ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン最終日（22日、宮城・利府GC＝6638ヤード、パー72）悪天候によるコースコンディション不良のため、9ホールの同一ラウンド（インコース）で決勝ラウンドが行われている。2アンダーの13位から出たアン・シネ（33）＝韓国＝が1バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの39で回り、通算1オーバーでホールアウトした。 【写真】セクシーウエアでギャラリーを魅了したアン・シネ この結果、今大会後に行われる後半戦の出場権をかけたリランキングで目安の30位に届かないことが決まった。競技終了後には現役を引退することを明かした。「自分のゴルフはひとつピリオドをつけます。コロナの影響で日本に帰って来られなくて、しばらく悔いが残っていた。もう一回チャレンジして日本でプレーしたいっていう思いで去年いろいろ準備をして、今年出ることができた。今後の人生の中で悔いのない時間だった」と目に涙を浮かべながら語った。 現役最後となったラウンドは大雨の中。「ゴルフをやり始めて30年くらいになるけど、この天気でゴルフをするのは初めて」というほどの大雨で10番からスタート。ボギーが先行すると12番でダブルボギーをたたいた。14番（パー5）で60ヤードの3打目を2メートルにつけてこの日唯一のバーディーを奪取。最終18番もボギーで終わった。ホールアウト後には、仲の良い河本結が涙を浮かべてクラブハウスで待っており、2人で言葉を交わすと自身の涙もあふれた。 韓国・ソウル市出身。5歳で競技を始め、2008年にプロ転向し韓国ツアーで3勝。17年に日本ツアーに初参戦し、19年には日本のプロテストに合格。「セクシー・クイーン」の愛称で親しまれ、日本のファンも多かった。新型コロナ禍の入国制限を機に、20年からは日本ツアーの参戦を断念した。そこから約4年、昨年11月の予選会に出場し16位で、今季前半戦の出場権を得た。開幕戦から16試合出場し、最高成績は「アクサレディス」の10位だった。 今後については70代の父が闘病中であることを明かし、「お父さんと、家族といる時間が今まで少なかったので、家族でいる時間を大事にしながら今後どうするか、何をしたいのか考えたい」と語った。

「自分の中でも未練もあったし、ちゃんとした形で終われなかったので、チャレンジをして日本に戻ってきて。応援してくれる方、愛してくれる方などに感謝の気持ちを込めながらプレーできた。それを感謝の気持ちを伝えられたのでよかった」。最後はあふれる涙をこらえながら、日本への感謝を語った。