「日本一予約が取れない店」落合務シェフが「缶詰で作る」自炊パスタの驚きのうまさ
若い料理人との仕事は勉強になる
――料理人人生60年、数々の偉大な賞を受賞され、人生では喜寿を迎えられようとする今も、そうした気づきはあるのでしょうか。 「料理をやっていれば、そんなこといくらでもある。 なんでもっと早く気づかなかったんだろうとか、これで押し通してきちゃったけど、もっと柔軟に考えればよかったとか。 逆にそういう反省がなかったら、この本はできなかった。 料理人として、イタリア料理として、こうじゃなきゃダメだという気持ちを捨てる、というか、改めて見直してみたら、意外にいろんなことができるんだよね。 ピカピカの小学1年生が初めて学校で答えられたような、嬉しさもあった。 俺がイタリアンを始めた70年代から80年代は、偏屈なイタリアへのこだわりみたいなのがあった。イタリアンはこうじゃなきゃダメだって、これはイタリアンじゃないとか。 でも今の若い人たちは、もっとずっと柔軟にものが考えられる。大事なことは念頭に置きながらも、うまくいろいろ取り入れながらやっているように思う。 俺ら世代がイタリア修行先でイタリア人に習って、なかなか理解できなかったことでも、今の世代は日本できちんと学んで、それからイタリア行っていろいろ身に付けてくるから成長も早い。 素直にいろんなものを取り入れる若い彼らとは、一緒に仕事をしているととても勉強になる」 次ページより、落合シェフおすすめの、あさり缶を使った「かんたんボンゴレ」と味噌で作る「和風バーニャカウダ」をご紹介する。
缶のつゆを煮詰めてソースに「かんたんボンゴレ」
材料(1人分) スパゲティ 80~100g あさり水煮缶 1缶(130g)身と汁に分ける 長ねぎの青い部分 1/2本 縦半分に切り、斜め切りにする にんにく 1かけ たたいてつぶす 赤唐辛子 1/2~1本 半分にちぎって種を抜く オリーブオイル 大さじ2強 バター 10g 作り方 1 ソースを作り、パスタをゆでる。 パスタをゆで始める。鍋にオリーブオイル大さじ2とにんにくを入れて強火にかける。にんにくがフツフツしたら、すぐに中火に落とし、かき混ぜる。にんにくが色づいてきたら赤唐辛子を入れる。あさり缶の汁を加えて強火にかけ、半量くらいになるまで煮詰め、味をみる。塩気が強いと感じたら、ゆで湯を少量加えて調整する。 2 あさりを加える 1の火を止めて、あさりを加え、余熱で温める。 3 パスタをあえる バターを加え、ゆで上がったパスタを2に入れて中火にかけてあえる。長ねぎを加えてさっとあえ、好みで風味づけにオリーブオイル少々を回しかける。