北海道・倶知安観光協会の次期理事 全国的にも珍しい会員選挙で選出
【倶知安】倶知安観光協会(後志管内倶知安町)の次期理事14人が全国的にも珍しい会員による投票で決まった。今回は地元のホテル経営者や、不動産業に携わる外国人3人を含む17人が立候補し、19日夜に選出された。前回2年前に続き選挙となったのは、国際リゾート地のニセコ地域で自らの観光振興策を打ち出したい関係者の多さの表れとみられる。 【動画】5月閉館 札幌のセンチュリーロイヤルホテルで最後の結婚式・披露宴 51年の歴史で1万組以上 284人の会員が加盟する同協会は観光PRに加え、夏に倶知安、ニセコ両町を周遊する屋根なしのスカイバス、ひらふ地区の無料循環バスの運行などを行っている。任期2年の理事はこうした取り組みを主導するものの無報酬。それでも2012年の一般社団法人化以降、選挙は4回目で、吉田聡会長(56)は「まちの宝である観光に思いの強い人が多い。観光協会の理事は自分の方向性を打ち出せる大きな機会になる」と説明する。 日本観光振興協会(東京)によると、全国の観光協会の理事選びは、事務局が作成したリストを承認するのが一般的で、「選挙で理事を選ぶことは、全国でもあまり聞いたことがない」という。 選挙では、町議選などで実際に用いられた投票箱を使い、9日間の投票期間を設ける。町職員が選挙管理委員を務め開票作業する厳密さだ。今回は14人のうち、3人が新たに理事になり、外国人3人も選出された。 同協会の年間予算は2億3千万円で、3年前から3倍超に増加。道内で唯一、徴収している倶知安町の宿泊税の税収による補助金で主に賄われている。札幌観光協会の約5億円には及ばないものの、旭川観光コンベンション協会の約1億円、函館国際観光コンベンション協会の約9千万円を大きく上回っている。