ファンダムが世界を変える!? ソーシャルムーブメントを巻き起こすK-POPアイドルとファンの関係
誤解を恐れず言うなら、20代そこそこのアイドルたちが、必ずしも人間として成熟しているはずがない。彼らが理想の人物へと育っていくのは、彼らを理想と仰ぐファン/ファンダムたちの思いによってなのだ。そして育った理想を、ファンダムは再び追いかけてゆく。 ※ジョングクのソロアルバム収録の曲「3D」では、共演アーティスト、ジャック・ハーロウによる歌詞がアジア人女性蔑視的と問題に。一部ファンの間では、所属レーベルBIGHIT MUSICや親会社HYBEに謝罪と公式声明を求める運動に発展。
そのなかでBTSがひときわ大きなアイコンとなれたのは、世界で活躍する彼らが自らマイノリティとして差別を経験し、地球上まれに見る多様な──国も人種も性別も年齢も宗教も異なるコミュニティ=彼らのファンダムも、同様にそれを経験していることを理解しているからだろう。 ※2020年、中国のBTSのファンクラブは、メンバー・Vの誕生日に募金を呼びかけ、わずか3分で100万元(約2000万円)、24時間で500万元(約1億円)の金額を達成。寄付金はVの本名を冠した小学校建設に使われるほか、通学のための道路を建設する資金に。
どんな少数派であれ、「同じ推しのファン」「K-POPのファン」という一点だけで、人間はすべての違いを超えられる。それを示すことこそが、BTS以降の多くのK-POPアーティストたち、そしてK-POPのファンダムが目指すものだ。そしてそれは、世界が夢見る包括的でサステナブルな社会の理想でもある。 ※BTSメンバー・ジミンの誕生日に、インドネシアのファンが海岸浸食被害を防ぐためのマングローブ100株の植林プロジェクトをSNSで立ち上げ。マングローブの伐採により海に沈みかけていた中部ジャワ海岸の村に約8700株の植樹が行われた。
※廃車となった車の革シートやエアバッグなどの廃材を利用した、韓国のアップサイクルブランド「CONTINEW」。BTSのリーダー・RMがSNSに投稿した写真で話題になり問い合わせが殺到したことはもとより、RMの環境への高い意識も大きな話題に。