暴動続くニューカレドニア、豪・NZが輸送機派遣し自国民退避へ
オーストラリアとニュージーランド(NZ)は、選挙制度変更への抗議をきっかけに暴動が起きた南太平洋のフランス特別自治体ニューカレドニアから自国民などを退避させるため、政府の輸送機を5月21日に派遣すると発表した。暴動で民間機が欠航となっており、約3200人が足止めされている。先住民カナクの支援団体は、仏政府の暴動対策を批判し「マクロン大統領はここで再び内戦を起こそうとしている」と述べた。 オーストラリアとニュージーランドは、ニューカレドニアからの自国民退避のため、政府の輸送機を21日に派遣すると発表した。フランス特別自治体のニューカレドニアでは、選挙制度変更への抗議をきっかけに暴動が発生している。 民間機は引き続き欠航。仏軍が公共施設の警備に当たる見通しだ。 当局によると、民間機の欠航で現在、約3200人が足止めされている。 暴動により、少なくとも6人が死亡。首都ヌメアの通りには黒焦げの車やがれきが置き去りに。目撃者の動画には破壊されたショールームと車。車やがれきを撤去するブルドーザーも見える。 暴動のきっかけは前週、フランス議会でフランス系住民に地方選挙での投票を認める法案が可決されたこと。先住民カナクの発言権が低下するとの懸念が強まった。 先住民カナクの支援団体ビロ・シュルエ氏 「この危機は、ひどい失敗だ。フランス政府は、住民をどうコントロールすればいいのか分かっていない。仏政府は2000人以上の兵を送り込み、住民を制御しようとしているが、それは失敗だ。マクロン仏大統領、仏政府、全閣僚がニューカレドニアで再び内戦を起こそうとしている。そう、1984年と88年の内戦が再燃しているのだ」 独立賛成派は、協議再開の前に選挙制度改革の撤回を要求。だが、フランス政府は秩序回復が先だと主張している。