選手からコーチへ。群馬U18山田大治コーチと京都U18内海慎吾コーチの試行錯誤の日々【バスケ】
「プロは持っているものを表現するのが仕事。U18は表現するものを作り上げる期間」
11月30日から12月3日にかけて、栃木県の日環アリーナ栃木にて開催されている「B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023」。 【動画】群馬 U18、京都 U18の2回戦を見る 初日を終えて四つ角のシードを取るレバンガ北海道U18、名古屋ダイヤモンドドルフィンズU18、琉球ゴールデンキングスU18、そしてサンロッカーズ渋谷U18が順当に勝ち上がる一方、千葉ジェッツU18と大阪エヴェッサU18、さらには茨城ロボッツU18とU18川崎ブレイブサンダースによる1点を争う攻防(前者は83-78で千葉J U18勝利、後者は73-72でU18川崎勝利)も見られるなど、4面同時進行の各コートで激しい火花が散らされた。 今回はそんな選手たちの奮闘をサポートする指導者の中から京都ハンナリーズU18に内海慎吾(元京都ほか)コーチと群馬クレインサンダーズU18に山田大治(元トヨタ自動車ほか)コーチの2名にスポットを当ててみたい。 それぞれに共通するのは選手時代に培った経験を選手たちの育成に還元しながらも、コーチという新たなステージで試行錯誤する姿だった。 山田コーチは群馬がU18チームを立ち上げた昨年4月から指揮を執っているが、「立ち上げ当初はメンバー3、4人からのスタートでした。今は15、6人いますが、選手たちは県大会で1、2回戦のチームの中でなかなかチャンスを得られない子たちが登録変更という形でウチに入ってくれています。基礎がまだまだの子が多いので、そこからまずはやっています。それこそ、レイアップの指導もしたり」と、今なおほぼゼロのところからイチを生み出す日々だ。 今大会では初戦で香川ファイブアローズU18と対戦したが、結果は60-94の完敗。「練習してきたことが遂行できずに相手のプレッシャーにも負けてしまいました。ウチのチームは出だしが課題で、いつも後半に『ヤバい』となってスイッチが入るのですが、そのスイッチを前半から入れてほしいです。そこはコーチの責任でもありますし、今シーズンは勝ち星を挙げられていなかったので、どうしても勝たせてあげたかったのですが…」と山田コーチ。今シーズン最後の試合を終え、悲願の1勝は来シーズンに持ち越しとなった。 指導者と選手時代とのバスケットの捉え方の差については「指導者になってみて思うのは、プレーしている方がよっぽど楽だったなということですね(笑)。こちらの意図がなかなか伝わらなかったり、コーチと選手の熱量に差があるときがあったりもします。そこをどう乗せていけるかには日々悩んでいて、試合で負けると悔しがるけど、次の日には練習で気を抜いてしまうこともあったり。そこのバランスは難しいですね」と思いを口にする。一方で「今はまだまだですが、成功体験を重ねていけば選手たちも通用すること、しないことが分かってくるんだと思います。今はまだそこまで至っていないですが、それが形になったときのことを考えるとワクワクしますね。楽しみです」と選手やチームの伸び代が指導のモチベーションとなっている様子だ。