【学石センバツ出場】存分に力発揮して(1月27日)
今春の選抜高校野球大会(センバツ)で、学法石川が出場校に選ばれたのは喜ばしい。センバツは33年ぶり、甲子園出場は夏を含めても四半世紀ぶりという。かつて県内の高校球児の目標とされたスカイブルーのユニホームが再び、聖地で躍動する姿が楽しみだ。存分に力を発揮してもらいたい。 秋季東北大会で、チームは一戦ごとにたくましさを増した。岩手の盛岡中央との1回戦で逆転勝ちし勢いに乗る。2回戦は宮城第1代表の聖和学園、準々決勝は秋田第1代表の金足農をそれぞれ最少失点に抑え、僅差で退けた。準決勝は青森の八戸学院光星に0―1で敗れはしたが、接戦にも動じず、犠打を絡めて1点を重ねる戦いぶりには安定感があった。佐々木順一朗監督は「点が取れなくても、我慢して粘りきる力が付いた」と手応えを語っている。 県大会からの9試合を通して、投手陣に複数の柱が育ったのも頼もしい。選考理由の説明で、委員は1年生投手2人の成長と完投能力に触れていた。高校野球は近年、打撃力優位の傾向にあった。従来よりも飛びにくい金属製バットに今大会から完全移行する。「春は投手力」の通説が復活しそうな兆しもある。
2018(平成30)年11月に就任した佐々木監督は、宮城の仙台育英を準優勝に導くなど春夏合わせて甲子園通算29勝の名将として知られる。「本気になれば世界が変わる」との信条は、就任5年を経てチームにしっかりと根付いているようだ。 県内は秋季県大会を制した聖光学院を筆頭に、準優勝の光南、学法石川と共に4強入りした東日大昌平など上位進出校の実力は拮抗している。学法石川が甲子園で古豪復活の活躍を見せれば他校の刺激となり、高校野球は一層盛り上がるだろう。 出場枠が20年ぶりに見直され、東北地区は1校増の3校となった。学法石川のほか、東北大会で上位の青森山田と八戸学院光星が選ばれた。一昨年の夏、仙台育英が東北勢悲願の優勝を飾り、聖光学院は4強入りした。昨年夏は3校が8強入りし、仙台育英が準優勝した。東北勢の実力は全国制覇を狙えるレベルに達していると言っていい。学法石川とともに東北勢の健闘も期待したい。(湯田輝彦)